ミャンマービール論争に終結が近づく

今月末にMyanmar Breweryの株式の売却手続きに双方が合意し、シンガポール系のFraser and Neaveと軍系列の現地複合企業Myanmar Economic Holdings Limited(MEHL)の間の長期にわたる所有権争いが終わりを迎える。
昨日双方で行われた記者発表によると、Fraser and Neave は8月20日までにMyanmar Breweryの所有権の55%を5億6,000万米ドルでMEHLに売却する。
同醸造所はミャンマー最大手で、Myanmar beerとTiger beerを国内販売の契約に基づき製造している。
しかしながら、CarlsbergとHeinekenが共に今年現地醸造所をオープンしたことで、市況は厳しくなっている。
Myanmar Breweryの所有権争いは、少なくとも2013年から行われている。2012年のFraser and Neaveによる販売支配権に端を発している。
MEHLは、2012年の販売から無視されてきた同醸造所の株の先買権について、2013年8月にシンガポールで調停を開始した。
2014年10月の調停者は、MEHLに、既に所有していなかった醸造所の55%の所有権を購入する権利を支持した。双方ともに適用すべき為替レートで合意に至らなかったが、1人の調停者は55%の所有権の価値を5,000億チャットの価値とした。
MEHLは、約4億米ドルの支払いになる今年の売却の1日前の為替レートを支持している。Fraser and Neave の立場は、5億6,000万米ドルの価値になる2013年4月からの為替レートを使用すべきであると主張している。
7月29日に、MEHLは譲渡の1日前の為替レート(MEHLは、5億6,000万米ドルではなく、約4億米ドルを支払うことになる)で所有権を譲渡するようFraser and Neaveに要求するため、シンガポールの最高裁に仮差し止め命令を訴えた。
続いて申告書は審問され、7月31日に拒否された。
昨日、Fraser and Neave とMEHLの双方はプレスリリースで、醸造所の価値についてFraser and Neaveの立場を支持する5億6,000万米ドルでの売却となると発表した。
MEHLのプレスリリースによると、調停法廷は、8月20日までに売却を完了するように命令している。
Myanmar Breweryは、約75%の市場シェアを築いており、うらやむほどの位置にいるが、競争のため、このシェアは低下するだろう。
First Rangoon Company consultingのパートナーであるNelson Nyeinは、Myanmar Breweryはまだ市場のリーダーに留まるだろうと述べた。
「(Myanmar Breweryは)強固な販売ネットワークを有している―チン州でも、あなたはミャンマービールを得ることができる―CarlsbergやHeinekenが2年から3年のスパンでは構築できない強い販売ネットワークである」と彼は述べた。
今回の取引において、Fraser and Neave は最終的な敗者であり、MEHLは最終的な勝者であるとNelson Nyeinは述べた。「Myanmar Breweryは、Fraser and Neave にとって、持続的な重要資産(crown jewel)と呼ばれていた」と彼は述べた。
5億6,000万米ドルは公正な金額だが、オープンマーケットでの取引や、最近のビール業界の複合的な取引を考慮に入れると、Myanmar Breweryは、より大きな価値を持っているだろう。
(Myanmar Times 2015年 8月7日版 第10面より)