政府が、批判を誘導したとして、ELEVEN 誌の編集者を訴える

編集チームの上級メンバー17人が、3月に出版した記事をめぐり法廷侮辱罪で告訴される

政府はデイリーイレブンの編集チームのシニア17人に対し、先の名誉棄損訴訟の特集は違法であるとし、法廷侮辱罪で起訴した。
国内外の評論家は、直近のこの法的措置は、メディアを抑えるために政府による法の利用という長年の風潮を継続しているものと述べたが、昨日、政府の上級役人は、この非難は「公正でない」と述べた。
法廷措置は、2015年6月15日に、国軍の元大佐であり情報省新聞雑誌社の取締役社長U Kyaw Soeにより開始さ9れた。
被告人は、イレブン誌の代表編集者、主任編集者及び副主任編集者、6人の管理編集者、チーフレポーター及び7人のシニア編集者である。
情報省を中傷したとして、デイリーイレブンの5人のシニアスタッフに対してU Kyaw Soeはすでに別の措置も進めている。同省が、国営新聞に、つり上げられた高値の印刷機を購入したという新聞社の主張に対して、2014年のネピドーの裁判所でとられた措置から始まっており、この訴訟は未だ継続されている。
今回の告訴はこの事件についての新聞記事と関連している。
3月5日に新聞社側の弁護士は、オフセット印刷機の購入に関して法廷で疑問を呈した。3月21日の紙面にU Kyaw Soeの回答として、「原告のU Kyaw Soeは、情報省が2009年に70万ユーロのオフセット印刷機を購入したことを認めた」と述べられていた。
イレブンメディアグループによると、U Kyaw Soeの法廷侮辱罪の主張は、法廷で事件の裁決がされる前に、新聞社がスタッフの無罪を主張しているという事実によるものである。
本件は、マンダレー管区の高等裁判所で扱われる。1,2週間ごとに開催される審理に出席するために1100㎞(685マイル)のヤンゴン―マンダレー往復は、会社の主な負担になるとイレブンメディアグループの代表者は述べた。
「訴えられた編集者は、ニュース制作のリーダーである。この状況は、私たちに深刻な影響を与える」とデイリーイレブンチーフのKo Wai Phyoは述べた。
有罪を宣告された場合、ジャーナリストは最高6カ月の実刑判決又は10万チャットの罰金、又は両方が課せられる。
Ko Wai Phyoは、起訴は「ジャーナリストに対する政府の圧力」を強調するものだと述べた。
「政府は報道の自由を許可していると、情報省のU Ye Htutは述べている。しかしジャーナリストは拘置されている」と彼は述べ、法廷措置の対象となったジャーナリストの数は2013年から増加していると述べた。
被告人弁護士のU Thein Than Ooは、「良い政府」を確実にするために強力なジャーナリズムが必要だと述べた。
「現在、ジャーナリスト及び特定の政治家は狩られている。政府は彼らに対して、取り得るすべての法的処置をとっている」と彼は述べ、進行中の裁判事件の新聞記事についても、法廷侮辱法によって明確に認められていると付け加えた。
改正された法廷侮辱法は2013年7月に施行され、裁判所を中傷するいかなること、事件を妨げたり邪魔したり、法に対する国民の信頼を失墜させたりする内容を発表することは違法としている。
また判決が宣告される前に、事件についての事前コメントをすることは違法である。
しかし法律は、進行中の事件のような公正で正しい情報を公表することは認めるなど、いくつかの例外も含んでいる。
デイリーイレブンが掲載した記事により司法組織の独立が害されるとして、同省は法的行動を取ると、U Ye Htut は昨日ミャンマータイムズに話した。
彼はまた、政府はメディアの圧制を「不公正に」増大させているとする国内外からの非難を退けている。
「それについて、私は明確な理由を与えることができる。デイリーイレブンは、彼らに対して2回しか告訴していない我々の省と比較して、多数回にわたり他のメディアを告訴している」と彼は述べた。
彼はまた自身のフェイスブックで、国営のMRTVのジャーナリストを6月20日の記者会見への出席から締め出したことでイレブンを批判した。
「情報省は、我々の記者会見にイレブンが出席することを止めたことはないし、イレブンの記者からの質問には、可能な限り返答してきた」と彼は書いている。「私たちは、なぜ彼らはMRTVが記者会見に出席することを認めないのか分からない。彼らは、私たちに対する態度とは異なる態度を右寄りのメディアに取っているのだろうか、購読者は推測できるだろう」
しかし、法的措置をとる偏向のある会社であるにもかかわらず、業界のほとんどはイレブンメディア側についているようである。
ミャンマープレス評議会の副会長 U Phoe Thauk Kyarは政府の決定を批判した。「私たちはメディアと政府の相互理解を必要としている。それはジャーナリストを逮捕し拘置することでは生まれない」と彼は述べた。
国会議員のU Aye Maungは6月20日に、「この件は、選挙が近づいているので、ジャーナリストを黙らせる方法ではないかと疑っている」と述べた。
アムネスティインターナショナルは、6月16日、政府が選挙を前にメディアの規制を強めていると主張する報告を発表した。当局は、メディアを脅かし、表現の自由を規制する新しい方法及び古い方法に頼っていると報告書は述べた。去年起きた、重労働を伴う10年間の拘置が言い渡された「Unity Five」の判決と、軍隊による勾留中に死亡したKo Par Gyiの事件を含む、広範囲にわたるケースのリストは、この主張を裏付けている。
「今日、私たちがミャンマーで見ているものは、発展に扮した抑止である。当局は依然として同様に古い戦法-不都合な話題を扱ったジャーナリストを口止めするための逮捕、監視、脅迫、に頼っている」と、アムネスティインターナショナルの東南アジア・大洋州地域のリサーチダイレクター、Rupert Abbottは述べた。
(Myanmar Times 2015年6月22日版 第4面より)