DICAの汚職禁止規則、寄付や政治献金について不明確

政府は最近、汚職への取り組みを進めるため企業が役人に賄賂を贈ることを禁止する倫理規定を発表したが、企業や慈善団体、個人が何をすることが出来ないのか不明確なままである。非営利団体はネピドーに、専門家と相談し企業が同問題に効果的に取り組むための行動規定を設定するよう促した。
財務省管轄の投資企業管理局(DICA)は、ミャンマーで事業を行う組織を管理する汚職禁止倫理規定を発表した。
同倫理規定は、政府機関と民間セクターの全ての企業間の取引と“事業活動”を含んでいる。
同発表は2017年会社法に基づき設立された企業や団体に対し、政府に対する6つの活動(贈り物・ホスピタリティ・娯楽の提供、旅行の援助、事業活動促進のための出金、社会貢献及び慈善団体への寄付、政治献金や寄付、個人的利益のため企業に関係する組織間の雇用への支援)を禁止している。 “事業活動”カテゴリーは、事業が円滑に進むことを可能にするために直接または間接的に金銭や金銭的利益を提供する活動に言及する。おそらくこれには、ライセンス、役人の承認、支持、入札プロセス、政府に関する意思決定が含まれる。
しかし、企業、団体、関連する個人が何をすることが可能で何が不可能なのかを明確にする必要がある。
考慮すべきことは、汚職のリスクである。支払や寄付が政府の決定に影響を及ぼすことが意図されている場合、賄賂が“個人/私的な立場”という口実のもと利権を持つ企業、オーナー、株主や個人から来るどうかに何の違いもない。
ヤンゴンに拠点を置く、ミャンマー責任ある企業センターのダイレクターVicky Bowman氏はミャンマータイムズに、汚職と闘うには政府と民間企業の共同努力が必要であり、汚職禁止団体は良く発展していると語った。
「汚職禁止委員会の新議長が、ビジネスコミュニティーとの定期的な対話を確立したことを非常に歓迎する。これは、企業がこれらを見極めるのに適しているため、汚職のホットスポットに対する効果的な行動を促進するはずである。これにより、委員会は汚職行為を排除するための措置を講じる必要がある政府部門と提携することができる」と彼女は述べた。第4回汚職禁止法改正により、委員会は現在苦情に取り組むだけでなく、自ら率先して調査活動を取ることでさえ出来る。

グレーエリア
さらに第4改正では、企業がどのように汚職防止の行動規範を設定すべきかに関する通知を、委員会が発行することができる権限を付与している。
「私たちは、この通知及び関連ガイドラインに貢献する機会があることを願っている。モデルとして提供することが出来る、いくつかの良いガイドラインの国際的例がある」と彼女は続けた。例えば、タイ国際汚職禁止委員会の「贈収賄防のための8つの原則」には、トップからの発信の必要性、企業の主要な贈収賄の露呈リスク評価、ハイリスクエリア及びビジネスパートナーに関する特定の管理、正確な評価、人事管理、内部からの告発などを含む報告メカニズムが含まれる。企業がこれら管理を実施している場合、寄付や政治献金等のグレーエリアをより正確に評価することができる。
政治献金及び寄付に関し、企業、財団、ビジネスオーナーを区別することは、家族経営の会社が非常に多いミャンマーでは特に困難である。
「政治的寄付を行わないと述べている方針を発表しているミャンマー企業があるが、私たちは彼らの会社のメインオーナーが行っていることを知っている。これに対する最も効果的な管理は、受取人となる政党や慈善団体、主要株主を含む企業の双方が寄付金の詳細を公表し、正確かつ監査された評価を確実にすることで常に透明性を持たせることである」。
DICAのガイドラインは、特に正当なホスピタリティに関し疑問を残しているように思う。ガイドラインでは、贈り物の上限、教育目的と噂される海外旅行に関する規制、メカニズムの施行について言及していない。例えば、贈り物に上限が無い場合、スナックや飲み物が会議で禁止され、ネピドーのホテルで終日行われるワークショップの間、役人の昼食は許可されないことになる。
ミャンマーの責任ある企業センターによると、役人のための旅行スポンサーや季節の贈り物などのグレーエリアの一部は、2016年4月に国民民主連盟政府により策定されたガイドラインで既に対処されている。
「企業は、従業員が順守していることを確実にし、役人が違反していれば汚職禁止委員会に報告する必要がある」とBowman氏は説明した。

2016年に発行されたガイドライン
大統領府は2016年に、金銭や金、銀、航空券、無料宿泊、食事、エンターテインメント、ゴルフクラブメンバーシップなどの価値ある品として定義される“贈り物”の受け入れに関する一連のガイドラインを発行した。
贈り物は、25,000チャットを超えない価値の品を除き禁止されているが、個人や組織が1年間に受け取れる贈り物の最高額は10万チャットである。家族や個人的な関係を理由に単独で受け取った贈り物、両者間で直接または間接的な利益相反が無い贈り物は許可されており、クリスマスやThadingyutなどの特別な行事の際の10万チャット以上の価値の贈り物も許可さされている。
外国政府により贈られた場合、40万チャット以下の価値の贈り物、公式な目的のための旅費(航空券、宿泊費、食事代など)、奨学金、医療費は許可される。
(Myanmar Times 2018年8月9日版 第5面より)