観光ビザの混乱、現金要件は副大統領との会合で解決する必要がある

ホテル観光省が8月3日、U Henry Van Thio副大統領が出席する会合で、ミャンマーに入国する中国、日本、韓国からの観光客は現金1,000ドルを支払う必要があるという規定を発表した。U Henry Van Thio副大統領は観光開発中央委員会の会長でもある。
Myanmar Times誌は7月26日、U Ohn Maungホテル観光省大臣の言葉を引用して、8月1日以降はミャンマーが中国、韓国、日本の国民のビザを無料にすると報道した。
U Ohn Maung大臣は、在ヤンゴンタイ大使館とミャンマーのタイビジネス協会が8月初旬に組織した経済セミナーで講演した。
労働・入国管理・人口省によると香港及びマカオを含む中国からの旅行者は到着ビザ(VOA)を申請せねばならないが、日韓からの旅行者のビザは10月1日以降に免除されるという。そして全ての旅行者は到着時に1,000ドルを保有していることが必要とされる。
入国管理局は現在、ヤンゴン、マンダレー、ネピドーの各国際空港で、中国、香港、マカオからの旅行者にVOAを発給している。
一方、日本と韓国からの旅行者は、航空機もしくは船舶で到着すると免除される。しかし、その場合も帰国便のチケットを提示しなければならないため、陸路でミャンマー国境を越えて出国しようとする者には困難が生じる。
加えて、これらの3ヶ国からの旅行者はミャンマーでの滞在がわずか30日しか許可されず、長く滞在したいものにとっては不都合である。
こうした状況には、関係するさまざまな政府部門を含む観光業界の利害関係者が絡んでいる。今回行われるビザ免除がより多くの旅行者を引き付けるためであるとしても、1,000ドルの現金要件がミャンマーに来るのを妨げるだろうという声も出ている。
「これらの3ヶ国からの旅行者は入国前に現金で1,000ドルを入国管理局に提示しなければならないことを我々は理解している。しかし、複数人の家族で来た場合はどうやってそれぞれが1,000ドルを準備するのだろう。さらに、海外旅行者は主に現金の代わりにクレジットカードを使用する。よって我々はこの問題を解決する必要がある」と、ホテル観光省のU Ohn Maung大臣は7月28日の記者会見で述べた。
これらすべての問題は会議において政策立案者と話し合われると、U Ohn Maung大臣は言う。「例えば、入国管理局は到着ビザにおいてわずか50ドルの現金を受け取るのみだ。したがって我々は空港と地元の銀行のネットワークを構築し、クレジットカードによる支払いができるよう取り組むつもりである」と彼は述べた。
CB銀行は到着時に現金1,000ドルを持っていない旅行者についての解決策を議論するため、労働・入国管理・人口省とすでに会談している。「我々は空港で旅行者の為替交換施設とカード確認を手配している。我々は最終的に労働・入国管理・人口省と話し合い、このことについて設定する」と、CB銀行のカード及び加盟店サービス部門の総責任者であるU Zayar Aung氏はMyanmar Times誌に語った。
提供されるサービスは旅行者にとって無料になる。「我々が無料サービスを提供すればより多くの旅行者がこの国を訪れる。それによって銀行、ホテル、その他観光事業の経済活動が活性化するだろう」と、U Zayar Aung氏は述べた。
ミャンマー政府は、西欧諸国からの旅行者が減少している現在、アジアの最大かつ経済的に最も裕福な国である日本、中国、韓国からの旅行者を呼び込む努力をしている。
これまでの反応は肯定的なものだった。「若い韓国人旅行者はミャンマーに非常に興味を持っている」と、大韓航空のミャンマーマネージャーであるMr. Kim Nam Jin氏はMyanmar Timesに語った。
「ミャンマーを訪れるすべての人が現金1,000ドルを持参することは不可能だ。よって政府はこの要件について考え直すべきである。これまでのところ、我々はビザ免除に満足しており、より多くの乗客をミャンマーへ運ぶことを期待している」と彼は言った。
最近では、大韓航空はソウルとヤンゴンの直行便を1日1便就航させている。平均して270人の乗客がヤンゴンを訪れ、170人の乗客がソウルに降り立つのだとKim氏は言う。
Grand Lotus Travel and Tours の役員であるU Kyaw Swa Min氏は、これらの3カ国から多くの観光客を呼び込むためにビザの免除は効果的であると言う。しかし「1,000ドル要件は時代遅れであり、かつ通関手続きが長引くため、廃止する必要がある」と彼は付け加えた。
ホテル観光省によると、今年6月30日までにミャンマーを172万人の海外旅行者が訪れたが、2017年の同時期に比べてその数は減少している。
これはアメリカ及びヨーロッパからの旅行者が50%減少したためだ。「我々はアメリカ及びヨーロッパからの旅行者のビザの免除も政府に要求したが、政府は我が国と良好な関係を保っている国からの旅行者のみにビザを免除すると決定した」と彼は言った。
(Myanmar Times 2018年8月1日版 第4面より)