不動産仲介業者とその顧客間の取引を規制する法律を含む不動産法案が、6月の連立議会によってパブリックコメントの対象として公開された。
ミャンマー不動産サービス協会の働きかけによる33節からなる法案は、2016年8月に初めて起草された。施行されると、ミャンマーで事業を行う不動産仲介業者の事業がより厳しく取り締まられるようになり、最大6ヶ月の懲役 もしくは3百万チャットの罰金、またはその両方が科される。
「現在、不動産仲介業者はなんの規制もなく活動している。不動産の購入者と売り手の間の仲介者として機能する代理店を規制し適法なものにしたい」とミャンマー不動産サービス協会のDaw Moe Moe Aung事務局長は述べた。
不動産関連8科目で試験に合格するという、不動産仲介業免許取得者の要件の規定などが同法案に含まれているとNay Pyi Tawの協会幹事であるU Kyaw Swa Myint氏は述べ、「免許を受けられる最低年齢は18歳で、国が規定する2日間の講習に参加せねばならない。それを修了した者には免許が発行される」と語った。 法案によると、犯罪歴のある者には免許が与えられないとのことだ。
免許を得ると、不動産仲介業者は国有および民間銀行からの住宅ローンを手配する際に、顧客の代理人となることが許可される。
一方、外国企業と提携している不動産会社では、ミャンマー投資委員会の許可を必要とし、同時に不動産サービス監督委員会が形成される。
サービス料
この法案は、代理店がサービスに対して課すことができる料金に関する規則も定めている。発効すれば、代理店は1億ドルを超えて売却された不動産の3%のサービス手数料を、1億ドル以上の場合については2%を請求することが定められるとU Kyaw Swa Myintは述べている。
ただし、サービス手数料は代理店と売り手の間の個々の契約条件にもよることができる。
一方、不動産の仲介に成功した不動産仲介業者は、サービス料を請求する権利、または賃借人と賃貸人の両方から手数料を受け取る権利がある。同法案では、相互に合意した料金が売り手から不動産仲介業者に支払われない場合、または既に契約が締結された後に事前通知なしに契約を反故にされた場合には、不動産仲介業者は提訴することができるとされている。
しかし、契約違反またはサービス代金規制に違反している不動産仲介業者については、その限りではない。
売り手と買い手の保護
公的メンバーからは、法案には不動産の購入者と売り手を保護する規制がないと言われている。 「法案には不動産仲介業者とサービス提供業者の権利と義務に関する規定は含まれているが、消費者保護の部分がは欠けている」と、Asia Construction Co.の総責任者であるU Yan Aung氏は言う。
他方でヤンゴン大学法学部教授のU Thaw Nay Zaw氏は「法律が制定されなければこのような法律がないことはミャンマーに害を及ぼさないので大丈夫だ。政府がこの分野を改善するための法律を施行しているのだろう」という考えを表している。
Htantabin選挙区の下院議員であるU Nay Myo Kyaw氏は、法案の目的は税金の効率的な回収を促進することだと語った。
「現在、不動産業者は稼いだ手数料に税金を払っていない」と彼は言った。
ミャンマーには固定資産税を課すための特別制定法はないが、この法律は不動産仲介事業に対する課税が体系的になるよう意図されているとU Nay Myo Kyaw氏は述べた。
(Myanmar Times 2018年6月26日版 第7面より)