裁判所はMECを支持、農民の土地権利に打撃を与える

ミャンマー裁判所は昨日、国軍関連組織とティラワ特別経済特区(SEZ)付近の土地に住む33人の農民間の土地権利訴訟に関し、ミャンマー経済公社(MEC)を支持する判決を下した。
判決は農民の土地権利に打撃を与えるものであり、「これはミャンマーの発展事業に関連した不当な土地の強奪の長い歴史の続きである」とNGOはコメントした。
ヤンゴンのKyauktan Township裁判所で行われた裁判で、農民がこれら土地を不法に侵害していると判断された。その結果、各農民に500チャットの罰金が科せられた。
農民は地区裁判所に上告する予定であると、同事件の被告代理弁護人Than Than Aye氏は話す。「私たちはこの事件の決定を受け入れられない。何年もの間、これらの土地で水田を耕作してきた」と農民の1人 Aye Htay氏は述べた。
「私たちは土地を明け渡すつもりはなく、関連当事者及び大統領に、この判決について抗議する」と判決を受けた33人の農民のうちの1人Zaw Tun氏は述べた。
農民の計算に基づくと、問題の土地600エーカーは1エーカー当たり20,000チャットで1996年に建設省(MOC)により引き継がれた。しかし土地は、MOCにより空き地となっていた。そのため、農民は同地域で水田の耕作を続けた。
しかし2002年に、MECは600エーカーのうちの100エーカーに亘り造船解体施設の建設を開始した。それにも関わらず、農民は残りの500エーカーで農業作業を続けた。
2004年から2011年の間に、農民はMECに土地の利用料として水田を寄贈した。
しかし2014年5月、MECは土地の利用を農民に禁止した。7月には、MECは土地侵害の罪で農民を告訴した。
告訴が提出された1年後の2015年、政府は農民から土地を獲得するため正式な法的手続きの下措置を開始した。
2年後の2017年3月、MECは33人の農民のうち10人に98エーカーの土地を補償することで合意した。
1月に、MECは農民に39エーカーの土地を補償することに合意した。
これにも関わらず告訴は継続され、ミャンマー裁判所による裁判が行われた。

対応
「今日のKyauktan Township裁判所による判決は、ミャンマー全土の農民の土地権利に打撃を与えた」とミャンマーアースライト・インターナショナル(ERI)の副法務部長Ben Hardman氏は昨日述べた。
ERIは、この問題は、頻繁に地方の農民を犠牲にした国の土地強奪の歴史と、広範に及ぶ適切な法的手続きへの違反を反映していると主張した。
「判決は誤りである。何故なら、MECは私たちを告訴したが、一部の被告人に裁判中農地の補償を与えているからである。そのため、彼らが間違っていることは明らかである」と傍聴した農家の1人はいう。「MECが自身の土地と思うならば、何故私たちに土地の補償を行ったのだろう」。
「告訴が提出された1年後に政府が土地取得の正式な手続きを開始した際、どうやってこれら農民が不法侵害で有罪判決を受けるのか理解できない。それどころか、裁判所は政府が以前農民に属していることを確認した土地への不法侵害でこれら農民に有罪判決を下した。」とHardman氏は続けた。NGOは、ミャンマー裁判所が33人の農民のような居住者を保護するため土地法を施行するにしても、同判決は疑問を呼ぶだろうと述べた。これはまた、歴史的な土地紛争を解決するという政府の誓約と矛盾するように思う。
「私たちは新参者ではない。私たちはこの場所から去ったことはない」と33人農民のうちの1人は主張した。
(Myanmar Times 2018年5月8日版 第7面より)