財産種別と支給規定の実施に関するミャンマー中央銀行(CBM)による2017年7月の指令に則ってできた私が注目した言葉や言い回しは以下の通りである。
“貸主の現金の流れのパターン”“信用リスク分析”“最大3年間までの期限付きローン”
これらの専門用語は効果的な事業者の財務、特に中小企業(SMEs)のためには不可欠な要素である。その指令により財務省は地方銀行が中小企業の景気循環や現金の流れのパターンに基づく中期ローンを作るのを認めた。これは担保に基づいたものから危険度に基づいた借り入れ制度に変わったことを意味しており、そしてこのことは銀行界の重要な発展も意味する。
担保を基準にすることの欠点:旧担保基準の制度下では土地と土地にある資産を担保として受け入れ、ローンの期間は1年に制限されていた。市場の担保価値を見極めた後、銀行は担保の売却価値を見積もる。安全にそれらを保管するため、担保の売却価値のちょうど50%までの信用を常に与える。2008年からその制度は一般的な銀行の運用方法として受け入れられてきた。中央銀行は2003年のミャンマーの銀行危機の再発を恐れていたので、銀行界に様々な制限を課し始めた。それらの制限のうち最も厳しかったものは信用の供与である。これらは厳密な担保に基づいた借り入れや定期的なローンの借り換え、超過したローンの多さ、適切な信用リスクの管理不足を含む。昨今では地方の商業向け銀行では短期間の定期預金を含む、すべての種類の預金を受け入れている。2008年から商業向け銀行はそれらの短期預金から長期ローンを作ることを認めていない。銀行は短期預金の満期と長期預金の満期の不一致を避けるため実施している間、その活動は地元の中小企業を考慮することができないし、それは機能的な中長期のローンが必要である。
将来のローンのため、担保として固定資産を利用する融資に対して固定資産を代わりに必要事業開発にお金を費やしている借主に還元される。
結果として一年の期間以内に返済を終えることができる人はほとんどいない。したがってローンの返済は一年からそれ以上の期間に乗り換えられる。銀行は定期的にローンの利子が提供されている限りはこの運用方法を容認している。
取付当座貸し越し:そうすることで、借主はすぐに当座貸し越しがローンを乗り換えるのにより便利な手段だと分かり、多くの人がそれを自由な手段として利用した。この方法により、銀行とクライアントの両方が中央銀行により決められていた1年満期の制限を超える方法を見つけた。
とはいえ、この巨額の未払い当座貸し越しは潜在的な危機をもたらす。例えば、債務不履行である。金融の専門家によると、総未払い貸付は総銀行ローンの約75%と見積もられている。そしてこのことは銀行界の不安定をもたらす危険性がある。その理由の一つとして貸し越しの資金が銀行通帳の焦げ付き融資を台無しにする。ローンの乗り越しは漠然としているので、焦げ付き融資の割合は常に低く報告される。貸し越しに関連したリスクを避けるために尽力するため、財務省はすべての銀行に会計年度ごとの終わりに貸し越しローンを明確にすることを求めている。けれど多額の未払い貸し越しがある必要条件を満たした銀行を見つけるのは難しい。
ミャンマー中央銀行はこのことを知り、銀行が2017年7月の指令のもと、これらの未払い貸し越しを最大3年間の満期期限付き貸し出しに再構築するのを許可した。この動きは中央銀行がすべての銀行に負債のリスク管理の枠組みを作り、信用リスクを適時管理することを求めた。銀行のリスク集中を避けるために、今現在つながりのある取引相手の単一の取引相手、または団体の取引相手への銀行の公開を制限したり、関連した政党間の取引を監視する。そのことに対して未払いの貸し越しや銀行の大きな財政公開に関連した潜在的な危機は深刻である。そしてそれは1月8日、地方銀行の要求で財務省が2018年1月、2月の指令を伴った必要条件を緩和したことも影響している。
リスクに基づいた借り入れに向けて
事業計画と資金の流れに基づいた中期ローンの認可は貸付制度が担保に基づいたものからリスクに基づいたものに完全に変わる。2017年7月の指令では銀行ローンの最大満期は3年に拡張された。借主がローンの義務を果たすため返済期間は柔軟であるべきである。
今現在、中長期のクレジットは銀行預金のより安定した部分、もしくは核となる部分から広がっていくだろう。もっとも長期にかけて、銀行はまたローンと預金の間の満期の不一致に関する危機減らす新しい貯蓄商品を開発するべきである。銀行がリスクに基づいた貸し出しであることが今以上に知られると、ミャンマーの中小企業をより効率的に支援するためのさらなる長期のローンが認められるだろう。地方銀行が借主の景気循環とお金の流れを考慮した返済期間を伴った新しい商品を開発することをミャンマー中央銀行が催促することは、担保に基づいた借り入れからリスクに基づいた借り入れへ完全に移行することを意味するが、それはローン申し込み時新しい制度が担保の必要条件を緩和することを意味するわけでない。銀行はリスク評価の過程で依然として担保として土地、建物、その他の固定財産を貸借できる。しかしながら、担保を所有することは依然よりは重要視されない。
担保に基づいた制度のもとでは、銀行はリスク回避型だった。その理由は借主が債務の履行を怠った場合担保を差し押さえることだった。その制度下の銀行は銀行というより質屋に近い。反対に、リスクに基づいた貸し出し、つまりお金の流れに基づいた貸し出しの下では、欠点、長所、実行可能性、信用貸金額、そして特に各ビジネスの返済能力を判断する際銀行はより全体的な提案ができる。貸付に基づいたお金の流れの継続した履行のため、銀行は資産の総合管理(ALM)、つまり現在と将来のバランスシートに関連したリスク管理ための便利なツールとして知られるべきである。適切な資産の総合管理(ALM)を取り入れることで銀行は受け入れ可能な範囲で信用公開を維持することができるだろう。そして銀行はまた信用リスクを監視し、支配することや潜在的なリスクに対する必要な準備をすることができるだろう。
U San Theinは元ミャンマーの中央銀行員で、現在ドイツの開発機関GIZの相談役である。
(Myanmar Times 1月31日版 第8面より)