ヤンゴン管区主席大臣のPhyo Min Thein氏は税制改革に発熱した。12月に彼は、地域の改善と発展のための広範な努力の一環として、政府による都市部固定資産税制度の見直しと再構築を発表した。彼が正しくも指摘したことには、インフラとは、急速な都市化の課題に向き合うために都市が投資を増やすことが必要な分野であるし、都市を清潔で健康的に保つためにも同様だ。同氏の感情は我々の反響を呼ぶ。現地シンクタンクのRenaissance Instituteは、ヤンゴン市開発委員会(YCDC)のような地方自治体が、持続的かつ公正な資金の手当を受けながら、都市を生産的で住みやすいものとするための一助となる大きな可能性をミャンマーの固定資産税制が秘めていることを示す調査結果を最近公表した。
無論、税制改革に関する議論においては潜在的な影響への問いかけが重要だ。税制改革は経済活動に支障を来すか?不動産市場に悪影響を及ぼすか?貧しい人びとを傷つけるか?固定資産税に関しては、これら全ての質問に対する答えは明確に「ノー」だ。固定資産税の改革を恐れることはない。これには理由が主に2つある。
第一の理由は固定資産税の特性にある。固定資産税は都市住民が都市サービスに支払う対価だ。ミャンマーでは固定資産税はYCDCの「市税」と他の都市の「利用料」という異なる名称で知られているが、固定資産の所有者または占有者が都市内の固定資産の継続的な所有に対して地方自治体あてに定期的に支払うことが一般的なテーマとしてある。従って固定資産税は不動産売買時の税金ではない。対照的に、印紙税は不動産の購入に追加的な費用を課すし、キャピタルゲイン税は売上利益を減少させる。固定資産の開発または価格への投資決定にあたっては、固定資産税による影響が仮にあるにしても、ほとんど与えない。むしろ地方自治体が都市サービスの財源に固定資産税を用いるので市場を支えることがおそらく可能だ。良い道路、排水、清潔な通りや公園の土地などの都市インフラとサービスの改善で、都市はより魅力的な場所へと変貌する。支払金額は資産の評価額に基づくため、固定資産税の公正さを意味する。裕福な人は(理論的に)貧困層以上の額を支払うべきである。
第二の理由はミャンマーで改革がどのように見えるかということだ。我々の調査によると、ミャンマーの個々の固定資産所有者による実際の固定資産税の6ヶ月毎の支払額は、多くの都市でお茶数杯とほぼ同じとなる。制度の公平な適用もなされていない。多くの固定資産は税務記録にないために公正に支払っていない。税務記録上のこれらの乖離については、一部の都市では全固定資産の最大3分の1相当数が存在すると考えられている。
裕福な住民は多くの場合で、貧しい住民と同額の税金を支払う。 YCDCの評定者はゴールデンバレーのあるバハン地区の固定資産とヤンゴンで最も貧しいダラとダウボン地区の固定資産とを平均して課税を行う。
YCDCは現在、殆どの住民が税金をほぼ払っていない一方で、少数の宿泊施設事業所および工場に固定資産税収入の大半を頼っており、貧困から浮上するための鍵となる労働集約型産業への投資を歪める可能性がある。ミャンマーの固定資産税のこれら不平等の修正と既存システムの管理の改善が税制改革に向けた我々の主な勧告である。強固で持続可能な都市開発のためには税制の公正化が必要であると我々は理解している。これは、公平でよりよいサービスに繋がる税金であるなら、ミャンマーの市民はより高く支払う意思があることを示す、アジア財団からの新たな証拠で裏付けられている。
固定資産税は、都市が重要になるにつれて地方自治体が都市住まいをより快適にするのに役立つ継続的な収入源としての大きな可能性を秘めている。 Phyo Min Thein氏と他の人々はミャンマーの地域経済と開発に価値を見出し始めている。この発熱が伝染性であることを祈ろう。
Lachlan McDonaldはRenaissance Instituteと協力するエコノミストで、Arkar Heinとの共著に「急速な都市化の課題の管理:ミャンマーの固定資産税制度のレビュー」がある。
(Myanmar Times 2018年1月18日版 第5面より)