ライカン州の立法と企業、中国のチャオピューの権益を確保

アラカン国民議長は、中国のチャオピュー経済特区(Kyaukphyu SEZ)の株式の大半を守り、株式比率の過度な重要視に対して忠告をした。一方、ミャンマーのコンソーシアムのメンバーは、現在ミャンマーがプロジェクトの30%を所有しているだろうと述べた。
チャオピューはMadae島における深海港と石油・ガスターミナルを含む様々な主要プロジェクトの場所であり、ミャンマー中央部から中国南西部の雲南省に至る石油やガスのパイプラインの終着点となっているチャオピューは中国のBelt and Road Initiative(BRI)の中核部分でもある。
アラカン国民議会(Arakan National Party、ANP)の議長であるウアイマウン(U Aye Maung)議長は、ラカイン州は中国がインド洋にアクセスする上で不可欠な道であると強く述べた。チャオピューが貿易センターであるという事実は誰も否定できない。
「Rakhineの人々はBRIがRakhineの経済成長を促せるように、BRIの発展に対して準備する必要がある。
「我々は特別経済区に関する法律や規制、土地所有に関する問題を改善する必要がある。法律や規制は外国投資を誘致するために柔軟でなければならず、一方で政府側の変化(政治的リーダーシップ)に対しては一貫的でなければならない」と同氏は述べた。
マウン議長は、チャオピューSEZの株式比率にばかりに注目するのではなく、ミャンマーは長期的な国益に着目する必要があると述べた。
「我々にはインフラの経験や資本はないが、我々にできることは国際投資家による専門知識や情報の提供、資本に基づいて政策を策定し、その後プロジェクトの所有権をミャンマーに移すことだ」と述べた。
ANPの議長は、チャオピューSEZは、ThilawaやDawei SEZといった他の2つのSEZとは大きく異なると付け加えた。チャオピュー SEZは企業間のプロジェクト(B2B)であるが、一方でDaweiとThilawaは政府間合意の下で実施されている。
「B2Bモデルは、専ら両団体の商業利益によって形成される。
大半の株式の問題は技術や投資資金の移転ほど重要ではない。後者の2つはチャオピュープロジェクトが成功するためには不可欠である。
株式を取得することは財政責任を負うことである。明らかにミャンマー政府もミャンマー企業も深海港に必要な資本を投資する余裕はなく、現時点ではそのプロジェクトを管理する技術もない」と述べた。
U Aye Maungの防衛線は、中国がSEZの過半数を保有していると懸念していた人たちとは異なっていたが、ミャンマーのコンソーシアムのメンバーの見解を反映した。
中国のCITICグループが率いるコンソーシアムは、5月5日にロイター通信によると、73億ドルの深海港に70-85%の株式を譲渡することを提案している。匿名による情報ではあるが、ミャンマーは中国企業に対抗するため30%以上の株式を保有しているという。
「心配は無用である」(ミャンマーのKyaukphyu SEZ Holding Company(MKSHC))中央委員会の委員長であるU Kyauk Taungは、ミャンマー・タイムズに、CITICの85%の株式が前の政府によって承認され、 85pc-stake契約でプロジェクトを継承した。MSKHCはSEZプロジェクトに関与するミャンマー企業のコンソーシアムである。
「中国による大半の株式保有については、何も心配する必要はない。
なぜなら我々がプロジェクトに関連する問題を管理するために政府が立ち上げたSEZ管理委員会を持っているからである。」
「我々は、ミャンマー側がプロジェクトの30%の株式を取得できるように各当事者と交渉してきた。そして、この問題についてミャンマーのコンソーシアム、SEZ管理委員会、CITICは先月末に合意に至った」とU Kyauk Taungは述べた。
U Kyauk Taungによると、中国側のコンソーシアムとミャンマーの間の会合の多くは、双方が70〜30%の株式比率で合意する前に開催されたが、MoUに署名する前に他の詳細な事柄に関する交渉が必要である。
同副議長はKyaukphyu SEZと中国とのその港を結ぶネットワークが、このプロジェクトにとってはるかに重要な優先事項であると付け加えた。
「そうでなければ、プロジェクトはなくなる」と彼は指摘した。
U Kyauk Taungは、同社を含むミャンマーのコンソーシアムが72億ドルである深海港の過半数を取得するのに十分な資本を持っていないと説明した。たとえコンソーシアムが港を建設する資本を持っていても、その運営を管理する技術を持たない。
Kyaukphyu vs Thilawa
中国が保有するKyaukphyuの過半数は日本におけるThilawa SEZの少数株の場合とは明らかに異なる。
ミャンマー日本Thilawa SEZの開発と管理を担当する日本とミャンマーの合弁会社であるThilawa Developmentは、丸紅、住友、三菱、日本国際協力機構(JICA)の3つの日本の主要取引所と共同で49%所有している。ベンチャーの51%は、ミャンマー政府とミャンマー企業のコンソーシアムが所有している。
日本が49%を取りミャンマーがThilawaの51%を取った理由についてミャンマー・タイムズが尋ねたところ、MJTD社長の梁井隆氏は、2%の株式の差は、ミャンマーに過半数の株式を与える。すなわち、ミャンマーが日本より多くの利益を獲得できるようにするMJTDの意図を反映していると述べた。
「われわれの意図するところは、Thilawa SEZプロジェクトのメリットをミャンマーと日本と共有することである。このプロジェクトでは、ミャンマーと日本の両社が同じ船に乗っており、お互いに協力し合っている」と梁井氏は語り、チャオピューに関連する問題についてコメントすることを拒否した。
9月4日、チャオピューSEZ管理委員会委員長ウソー・ウィンはミャンマータイムズに対して、まだ全て交渉中であるため、チャオピューSEZについては何も確認されていないと告げた。
「まだ何も確定はしていない。現状では株式比率も含めてあらゆる変更がありうる」と述べた。
Rakhine vs Myitsoneダム2.0はうまくやっている
Kyaukphyuプロジェクトは過去に専門家や企業からの解説を繰り返し受けている。
6月28日にセドナホテルでシンガポール国際問題研究所が主催する第2回ASEAN-ミャンマーフォーラムで、PwCミャンマーのマネージングディレクターであるオン・チャオ・チョンはミャンマー・タイムズに対して、BRIはミャンマーにとって大きく必要な政治に対する意欲と財源を提供したアジアのインフラ格差を解消すると述べた。
最大のプロジェクトは[BRIの]テストケースであり、Kyaukphyuプロジェクトのため今後6〜12ヶ月でそれが土俵を破ると期待している。
「これは本当に出資を必要としているミャンマーの一部、すなわちミャンマーの貧困地域の一つであるライカン州のための出資である。
「KyaukphyuプロジェクトはRakhine州とミャンマー全体に多くの利益をもたらすだろう」と彼は見解を示した。
対照的に、SIIAのシモン・テイ議長は同時期ミャンマー・タイムズに、中国のカウフウィーの過半数の株式は、中国とミャンマーにとって長期的には賢明ではないと発表している。
テイ氏は、Kyaukphyuと日本主導のThilawa SEZとの間の国による所有権の違いは「はっきりしている」と「目立っている」と述べた。
「日本はミャンマーと51%のミャンマー連合で協力するよう努力している。当然、2%はそれほど重要ではないが、友情と平等の証としての重要なシンボルである。
日本は、支配するのではなくパートナーになるよう本当に努力している。
私が中国に助言をしていたとすれば、天然ガスと石油の85%を求めることは決してないだろう。なぜならそれがミャンマーの遺産であり発達の土壌なのだから」と述べた。
「中国はチャオピュープロジェクトを構築したいので、Myitsoneダムの場合とは違って利益を享受できず、問題を後世に[コミュニティーへ]残すことになる、ということにいつも気付いている。
誰かに投票の85%を与えたり、プロジェクトの所有権を与えたりなどすると、双方がお互いのために働く糸口を見つけることは非常に難しいと思う」とテイ氏は続けた。
(Myanmar Times 2017年9月5日号7頁より)