「法の支配」への道を歩む

改革が行われているミャンマーにおける法の支配及び人々が法に従って安全に生活するために、法律専門家は必要不可欠である。
ミャンマーは、法の支配について長年に亘って困難に直面してきた。国に法の支配主義を浸透させることが課題であると宣言しているDaw Aung San Suu Kyiが率いる現政権のもとで、人々が法律を遵守することが必要である。そのために、法律を知り、理解する必要がある。
法的な権利と限界について人々に教育して保護する法律専門家へのニーズが大きい。法律家になるための道はロースクールから始まる。
大学への入学許可試験に合格した学生が法律家を希望する場合、ミャンマーでは2つの道しかない。大学又は大学の遠隔教育の法学部で5年学ぶことである。
法律は、ミャンマー全体において大学で教えられている人文系科目のひとつであり、入学許可試験で300点以上取得した学生のみが、法学部で学ぶことができる。入学のための点数は毎年同じとは限らず、管区及び州に位置している大学による。
2016年~2017年度のカリキュラムにおいて、大学への入学に必要な点数が350点、遠隔教育は300点と設定された。大学に通学する法学部の学生については、他の条件は課されていないが、遠隔教育の学生は、入学許可試験において英語試験で50点以上を取得する必要がある。
遠隔教育において、法学部生は課題をこなし、毎年10日間の集中講義に出席する必要があるが、通学生は大学の学期を通して法律を学ばなければならない。
ミャンマーでは教育省の下で48の人文科学大学がある。しかし、そのうち法学部は16大学でのみ教えられている。最終学年において5科目全てで65点以上を取得した卒業生のみが、LL.Mと呼ばれる修士コースで学ぶことが認められる。
法律について学びたいが、法律家として実務で働く意思はない場合は、ビジネス法の学位を提供する2つのトレーニングコースがある。1つは、高等教育局と法務局が共同で実施している法律トレーニングコースであり、もう1つは、人材資源局が提供しているトレーニングコースである。
「特別なこととしては、質疑応答(対話式授業)が実施されているヤンゴン遠隔大学にてのみ法律の科目をオンラインで学ぶことができる。オンラインで法律を学び試験を受けることもできる」シットウェ大学の法学部副学部長のU Kyaw Lwinが述べた。
しかし、入学手続きと教科書代の支払いはヤンゴン大学にて実施しなければならない。
「質問をした後で、オンラインで試験を受けることができる。オンライン試験に合格すれば、学位を取得することができる」
ヤンゴン大学及びマンダレー大学は、毎年数千の法学部卒業生を輩出しているが、他の都市で大学の法学部卒の数は少ない、とU Kyaw Lwinは述べた。
2016年~2017年度のシットウェ大学での法学部の通学生と遠隔教育の法学部生は合計で76人に過ぎず、ヤンゴン大学は同年50人の通学生と100人を超える遠隔教育の法学部生がいる。
法学部の学位(LL.B)を取得した後、連邦最高裁判所に申請書を提出したあと、見習い法律家として勤務を始めなければならない。
「学位を取得したあと、裁判所で法律インターンとして勤務することもできる」法学部2年生のMg Aung Thu Heinが述べた。
1年間インターンとして勤務したあと、”Advocate”として申請するために、見習いの書類及び教官からの推薦状を連邦最高裁判所に提出することができる。
全ての要件が満たされれば、3ヵ月以内に法律家として認められる。
法律家は、最初の3年間は地区裁判所にて裁判を扱うことができる。その後、7つの地区裁判所にて勤務しなければならず、その間に高等裁判所の法律家になるための申請を連邦最高裁判所に提出することができる。
Advocateライセンスで3年間の経験が必要である。7つの異なる地区裁判所で裁判の経験を積まなければならない。裁判所から推薦状も必要である。
「他の職に就かないという宣誓書を提出し、宣誓しなければならない。規範ある行動に対する推薦状を添付し、高等裁判所の法律家のための申請書はネピドー最高裁判所に提出しなければならない」高等裁判所法律家のDaw Khaing Sandaが述べた。
高等裁判所の法律家として認証を受けるためには、世帯証明書及び生誕地等の書類が主に必要である。申請から2年程度で、高等裁判所法律家として業務をすることができる。
ミャンマーで最高位である高等裁判所法律家は、国内の全ての法廷で業務をすることができる。
ミャンマーの周辺国では、公立大学のみならず、法律家又は法律専門家になるために他の学校に通うこともできる。
法曹界の人々は、英国でBarristerの資格を取得したら世界中で働くことが出来ると述べた。ミャンマーの法律家が他国で働くためには、登録申請した後、各国から許可を付与された場合にのみ可能である。
ミャンマーで働くことを希望する他国の法律家にとっても同様であり、連邦最高裁判所で登録する必要がある。
法学部卒業者にとって、ミャンマーで就職の機会は多い。民間の法律事務所、会社、メディア、大規模投資プロジェクトでの法律顧問としての仕事などが挙げられる。
ミャンマー国内の大学は毎年法学部卒業生を輩出している。Advocate登録数及び高等裁判所法律家登録数から得られた統計によると、ミャンマーにおいて、40,000以上のAdvocate及び11,000以上の高等抗弁人がいる。
国民民主連盟(NLD)の中央執行委員会メンバーであるU Nyan Winは、1969年当時は5年間法律科目を学ばなければならなかったと述べた。4年後、彼は法学部のB.Aを取得し、その1年後にLL.Bを取得した。
最近、学生は5年間連続で学び、学士を取得する、と彼は述べた。U Nyan Winは、若者に、法律を学ぶよう奨励している。
「法律は、非常に重要な科目である。法律実務家として生計を立てるにしてもそうでないにしても、法律を知るべきである」。
「法律は、仕事、契約、国際関係その他において重要である。ミャンマーは多くの若い法律実務家を育成する必要がある」U Nyan Winは、述べた。
法律専門家は、改革が行われているミャンマーにおける法の支配及び人々が法に従って安全に生活するために、必要不可欠である。そのため、職業として生計を立てるか否かに関わらず、将来ミャンマーを導く若者は法律を勉強する必要がある。
民主国家において、法律知識は、法の支配を発展させるために、不正な制度及び実態を法的に解決するために、身につけなければならないものである。
(ミャンマータイムズ紙2017年3月9日号より)