ミャンマーの最低賃金委員会再び結成される

ミャンマーでは、国内の賃金事情を改善するため、最低賃金に関する全国委員会が再び結成された。
先週結成された委員会のメンバーには、金融の専門家や聖職者、また、労使それぞれの組織の代表者も含まれる。
新しい最低賃金は以前より改善されたが、最終決定されるまでは未だ時間がかかりそうであると、委員会の専門家であり労働者組織の代表者が、昨日、ミャンマータイムズに語った。
「新しい賃金は以前よりも詳細になる。以前の最低賃金は誰に対しても同じであった。そのため、発表までまだ時間がかかりそうだ。」委員会のメンバーで経済学の専門家のKhin Maung Nyo氏は述べる。
2015年9月、労働者グループが最低日給を5600チャット以上とすることを要求していたのに対し、ミャンマー政府は3600チャットを最低日給とした。
2年前にこの政策が実行されたが、最低賃金制度のためビジネスに問題が生じているとKhin Maung Nyo氏は言う。
例えば、使用者が最低賃金を支払うことができず、工場が閉鎖せざるを得なくなったケースがある。
また、日給3600チャットという最低賃金が実行されたことにより、使用者が、労働者に支払っていた手当を廃止し、労働争議になったケースもある。
「最低賃金の設定には弱点があるので、労働争議が発生するのだ。
私たちは、使用者に過度な負担を課すことなく、労働者に相当な給与を得てもらいたい。私たちは両者にとって良い結論を出せるよう努力している。社長には、国際市場の中で会社の競争力を守る権利もある。」とKhin Maung Nyo氏は言う。
工場経営者や労働省の役人の中には、3600チャットを最高賃金だと考えていた者もいるとAction Labour Rightsの団長であるThurein Aung氏は言う。
また、労働省の役人の中には、工場経営者が新規に雇用した従業員にこの金額を支払うことを禁止している者もいると彼は言う。
「最低賃金は熟練した労働者に対して設定されているのものではない。これは新規に雇用された従業員のような未経験の労働者に対して設定されているものである。役人には、工場が労働者に最低賃金を支払わないよう要求する権利はない。」 と彼は言う。
労働者にとって、現在の3600チャットは何ら特別なものではないとConfederation of Trade Union Myanmarのヤンゴン地域長のWin Theingi Soe氏は言う。
「最低賃金が実行されてから、使用者により手当が打ち切られたケースもある。労働者は未だ十分な賃金を支払われるに至っていない。
彼らは以前と比べてより稼いでいるとは言えない。同時に、住宅費・賃料はどんどん高額になっている。そのため、最低日給は労働者にとって何ら特別なものではないのである。」と彼は言う。
多くの工場と労働者を有するHlaing Tharyar 群では9~10sq ft の部屋が50,000~80,000チャットで労働者に賃貸されている。
労働活動家は、また、委員会は物価についても検討し、最低賃金の上昇に伴い物価も上昇することのないよう、管理しなければならないと言う。
Myanmar Industries Craft and Services Trade Union Federationの副会長であるKo Naw Aung は、The Myanmar Timesに対し、「労働者が十分な給与を得ることがないことは皆知っている。」と述べる。
彼はまた、彼の組織が委員会に協力し、労働調査を実施する際には監視させるよう委員会に要請すると述べる。先回の最低賃金委員会の時には、このような機会はなかったと彼は言う。
さらに、前政府による先回の委員会では、打ち合わせは不十分であり、打ち合わせの記録と結論は非公開とされていたと彼は言う。
(Myanmar Times 2017年2月23日版 第4面より)