ヤンゴン内国歳入局(YIR)は不動産税の課税対象となる地域に対し、不動産評価額を新たに設定するという。広報担当者によると、税務部は公式発表前の政府承認待ちの状況ではあるが、新たな評価額は現在の課税区分表に適用されているものよりも高いという。
2013年に前政府は首都地域のそれぞれにある、1スクエアフィート毎に不動産価格を分割した不動産額のリストに基づき評価するシステムを導入した。各価格層に対しスライド制の税が適用される。つまり評価額が高くなれば、税率も大きくなる。
「6月に、私たちは不動産税に対する新しい基準価格を提出した」と、ヤンゴン内国歳入局税務部副部長Aung Kyaw Tint氏は今週ミャンマータイムズに語った。
「しかしヤンゴン管区政府はまだ承認していない。そのため課税基準価格は、2014年の価格に基づくことになる」と彼は述べた。
この評価システムの前は、土地や住宅購入者は税務署に販売価格を通知しなければならなかったが、支払い税額を減らす目的で頻繁に売買の過少報告が行われていた。
だが誤った評価は、長年に渡る問題の一部でしかない。アップダウンのある市場では、政府が税金の支払いを優遇すると同時に、需要を刺激するために税率の適正化に取り組んできた。
4月に政府は、1億チャット以上のもの全てに対し課される30%が最大税率であり、最大3,000万チャット相当の不動産売却に適用される15%が最小税率となる2014年の課税区分表を再び使用することとした。3,000万チャットから1億チャットで販売される不動産は、20%の税が課せられる。
昨年、選挙の影響を懸念し低迷した市場を活性化する試みとして、政府は1億チャットまでの不動産の不動産税を3%に引き下げ、5億チャットまでの不動産税を5%に、10億チャットまでの不動産税を10%に引き上げた。10億チャットから15億チャットの場合、税率は20%で、15億チャット以上は一律30%であった。
しかし市場は応えてくれなかった。昨年10月に公開された上半期の数字によると、税収は前年度の360億チャットから140億チャットへと減少している。
2014年の評価額に戻ったということは、今年度の税収がわずかに改善すると期待される。4月から8月のヤンゴン内国歳入局が徴収した不動産税は、150億チャットであった。
Aung Kyaw Tint氏は、税率が変更されるか否かについては触れなかったが、評価額については、承認された場合、今年度中に引き上げられると話す。
「現在、私たちは不動産の市場価格の3分の1しかない基準価格を使用している。そのため、実質的な現在の価格に応じてこれを修正する必要があり、管区政府が承認すれば、基準価格は少し上昇することになろう」と彼は述べた。
だが不動産業に詳しい人は、現在の評価額は高すぎる。政府は不動産価格を設定する時には業界団体と協議すべきであると警告した。
Saing Kun Naung不動産会社の会長Saing Kun Naung氏は2013年に、内国歳入局が地域評価を開始した際は、彼らはミャンマー不動産サービス協会の協力を受けていた。しかしそれ以来協力することはなく、過剰評価地域が発生しているという。
「最後に価格決めた際、不動産市場の低迷によって不動産価格が下落した場所があったため、その当時の不動産価格に従わなかった」とヤンゴン管区不動産事業協会の会長Saing Kun Naung氏は述べた。「そのため査定価格は、実際の価格よりも高くなっている」。
Shwe Kan Myae不動産会社のKhine Maung Aye氏は、現在の2014年課税区分表は非常に高く、見直しでは引き上げではなく、引き下げられるべきであるという。
「現在私たちは2014年に査定された基準価格を使用している。これには高い地域もあるため、課税される人にとって公正な価格でない」と彼は述べた。
Khine Maung Aye氏は、適切な評価レベルと課税レベルに到達したい場合、内国歳入局は業界団体とより密接に協力すべきであるという。
彼は「価格を決める際に、全ての人が協力すれば、より良いものになるだろう」と話した。
(Myanmar Times 2016年9月9日 第11面より)