政府は期限切れに伴う翡翠及び宝石の採掘許可の更新を行う予定はなく、ミャンマー宝石法の新しい規則が成立すれば、新しい許可の発行を検討するだけであると天然資源環境保全省は昨日発表した。
国営ミャンマー宝石会社の許可及び登録局の副局長Thet Khaing氏によると、同省は宝石の生産を管理する規則の変更を検討しているという。
「ライセンスの拡大を先延ばししているのには多くの理由があるが、主な理由は規則と規制の変更である」と彼はいう。
この動きはごく一部の利益のために国の豊富な天然資源を略奪する販売業者に関する報告だけでなく、数百人の労働者が亡くなった悲惨な地滑りが連続して発生したことを受けたものである。
ミャンマーは未だ米国制裁の対象となっている巨大な有益業界をきれいにするよう、外国政府や環境保護活動家、政治活動家団体から大きな圧力を受けている。
同省の発表によると、中止はHpakantの翡翠鉱山だけでなく全国の宝石採掘場が対象である。
省のデータでは、カチン、シャン州、マンダレー、ザガイン管区のHpakant、Hkamti、Mogok、Mong Shuといった鉱区で今月期限切れとなる採鉱許可は420ある。
Thet Khaing氏からの情報によると、ライセンスを持つ企業はその期限が切れるまで採掘を続けることができ、全国で現在採掘が行われている19,000の採掘場に対する全てのライセンスが切れるまでは、2021年までを要する。
宝石実業家は昨日、この中止は小規模業者に損失を与え、鉱山で働く移動労働者が失業すると決定を批判した。
ミャンマー宝石・宝飾品業者協会の幹部Kyaw Kyaw Oo氏はミャンマータイムズに、政府はこの発表と業界全体にダメージを負わせる危険性を再考すべきであると語った。
「(中止になったのは)今回が初めてではない。前政権は2012年から2014年に同様のことを行った」と彼は話す。
「その当時、多くの翡翠ハンターが、(カチン州のHpakant)鉱山周辺の土地に群がり不法占拠したため、政府は決定を撤回せざるを得なかった。新政府はこの事件から学ぶべきである」。
提唱団体Global Witnessが発表した批判的な報告書には、地域社会に与える鉱山の悪影響は過言ではなく、根強い薬物や売春といった致命的な危険な状況を引き起こしていると記されている。
報告書には「極わずかな人間が膨大な利益を得る一方、地元の人々は酷い虐待に苦しみ、彼らの足元にある自然遺産がもぎ取られる様を目の当たりにしている」と記されており、政府の発表では2013-14年度の取引額は約10億米ドルであるが、2014-15年度単独での翡翠産業を310億米ドルと評価している。
Kyaw Kyaw Oo氏は、政府は中国への翡翠や宝石の違法輸出や違法採鉱を防止するために、生産を中止していると考える。ミャンマーの翡翠の多くは鉱山から直接中国に密輸されており、マンダレーといった市場の地元取引業者は利益を得ることができない。
「政府は違法な宝石生産を取り締まるべきだが、なぜすべての生産が止められるのか理解できない」と彼はいう。
協会の会長Yone Mu氏は、この中止のため失業率が上昇し、生産率の下落により業界に悪影響が及ぶことを懸念していると話す。
「市場では輸入された装飾用の宝石が、国産宝石にとって変わるだろう。主に小規模実業家がこれを懸念している。政府はこれを行うべきではない」と彼は指摘する。
しかし環境保護専門家はこの発表を歓迎し、新たな採鉱許可の中止を支持するという。
「喜ばしい。これは非常に良いことである。国の環境を守るため重要なことである」とMyanmar Alliance for Transparency and Accountabilityの広報担当者Win Myo Thu氏はメールで回答した。市民団体は長年、企業の翡翠採鉱を止めるよう政府に求めていた。
彼らは尾鉱の山の崩壊によって起きる地滑りによる何百人もの現場労働者の死亡や機械の過度の使用、過剰掘削、地元環境の悪化の恐れがあるため、通常HpakantやLone Kin翡翠鉱区を選んでいる。
(Myanmar Times 2016年 7月27日版 第8面より)