大和証券の子会社であるMyanmar Corporate Strategic Advisory(MCSA)社は、日本のグループ会社がヤンゴン証券取引所での委託販売業務及び引受業務に集中できるよう清算される予定であると、昨日同社職員は発表した。
2014年後半に設立されたMCSA社は、大和証券グループの完全子会社で上場アドバイザリーファームである。
First Myanmar Investment、Myanmar Agribusiness Public Corporation Limited(MAPCO)、Asian Green Development Bankの3社と契約しており、現地企業に対する合併や買収、海外市場への二重上場、その他資金調達活動のアドバイス業務を行っている。
大和証券の姉妹会社である大和総研はヤンゴン証券取引所の出資者でもあり、ミャンマーパートナーと証券会社を設立するというグループの決定は世間を驚かせた。大和職員は否定しているが、証券取引所の多くの役割を担おうと試みていることであり、支店間における利益相反を招きうると懸念されている。
MCSAを解散させる動きは、先週初めて株式が上場された証券取引所における役割を合理化しようとした試みと見てほしいと、同社の広報担当者は述べた。
同社の整理に関するニュースは、最初の上場企業となったFirst Myanmar Investmentが上場許可を受けたあと、内部発表を経て3月に発表された。
「最初の目的が達成されたため、大和はこの企業を解散させ合弁企業に注力することを決めた」と同社社長Tin Min Htut氏は述べた。
ミャンマー証券取引所センター(MSEC)は、国営Myanma Economic銀行(MEB)と大和証券グループの合弁企業である。
Tin Min Htut氏は「私たちは当初、委託販売と引受業務を行うMSECとは別にアドバイザリー業務を行う計画であり、この会社は設立された」
「しかし状況は変わり、大和はこれまで以上にMSECを重視するようになったため、効率化を図り、同社の機能をMSECに移管することとなった」と語る。
財務省の下の金融機関であるMEBは、一般ライセンスに基づき金融取引を行うことが認められているが、米国財務省の特定国籍者(SDN)リストに掲載されたままである。
「新しい政権の下で何が起こるか予測は難しいが、MSECは大和と共に事業を継続していく」とTin Min Htut氏は述べた。
同社によると、大和証券グループのディレクターでありMCSAの社長である後藤信介氏は、東京でグループの投資銀行部門を新しく指名するために1カ月以内にミャンマーを発つ予定である。MCSAの若手スタッフの雇用期間は3月31日までとなっており、13のチームは同日解散する。
後藤氏は2012年にミャンマーを訪れて以来、ミャンマーの証券取引所の発展と企業の上場準備を支援に貢献してきた。
大和もミャンマーで長い歴史を持ち、1996年から同国の店頭市場となりミャンマー証券取引所センターに携わっている。
(Myanmar Times 2016年4月1日版 第12面より)