ミャンマーのエンジニア、罰則を恐れライセンスに殺到

将来、エンジニアがミャンマーで活動するには専門ライセンスを取得しなければならなくなる。登録の必要性を定めた法律は2年前に成立したが、施行は遅かった。
現在、シニアエンジニア(RSE) 約500人と専門エンジニア(PE)350人が国に登録している。これ以上に多くの人がライセンスを持たず働いているとミャンマーエンジニア協会(MEC)の会長でもあり副建設大臣でもあるWin Myint氏はいう。
国営メディアが報じるところによれば、最近行われたPE認定書の授与式においてWin Myint氏は、「ライセンスなしで働いているエンジニアは法の裁きを受けることになる」と述べた。
あるエンジニアによると、この発言によりエンジニア協会にライセンス申請者が押し寄せたという。「エンジニアは医者が医師免許を必要とするようにライセンスが必要なのである」と彼は述べた。
しかしMECの副会長Aung Myint氏はミャンマータイムズに、現場運営の重大な責任を負うチーフエンジニアに対しライセンスを確実に持たせることが主な目的であると語った。「責任者となるエンジニアは協会が発行するPEもしくはRSEライセンスの保有者でなければならない。ライセンスのないエンジニアは彼らの管理のもとで働くことが出来る」と彼は述べた。
RSEエンジニアは8階建てまでの建設を行うことができ、PEエンジニアは8階以上の建物の建設を行うことができるが、両資格の申請者は増加していないそうだ。
しかし批評家は、ライセンス付与のシステムは行き当たりばったりであり、試験の内容は実際のエンジニア業務に関連していないという。
Schlumbergerで現場監督として働くエンジニアのWai Lin Aye氏は、「多くの人々がこの制度を歓迎していない」と述べた。
MECはライセンス付与に関する基準となるシステムや計画がなく、講習の内容は実際のエンジニア業務に関連がないものであると彼はいう。
5年ほどエンジニアとして働くThair Nu Swe氏は、ライセンスの取得は既にエンジニアとして働いている人にとって特に時間がかかるという。
「私が働き始めたとき、ライセンスは必要なかった。今はライセンスを取得しなければならないが、時間をつくることができない。多くの無資格のエンジニアがいるのだから、資格取得のための猶予がほしい」と彼女は訴えた。
ヤンゴンで建設事業に従事する民間エンジニアは、これとは別にヤンゴン開発委員会のエンジニア(建設)部が発行するライセンスが必要となる。
副局長のNay Win氏は、市内で働くエンジニアは両方の資格が必要であるという。
「私たちはYCDCライセンスを持つエンジニアが管理する事業に対し建設許可を与えている。PE及びRSEライセンス保持者は市の規制を遵守しなければならないので、市のライセンスも同様に持つ必要がある」と彼は述べた。
(Myanmar Times 2016年2月22日版 第9面より)