今年、不動産市場が落ち込み税収が急落したことを受け、来年度に不動産税を増額することが決定された。
来年度の税率は、1月22日に議会により承認された2016年国税法において、2014年と同じレベルと規定される。
内国歳入局の副局長Kyaw Kyaw氏によると、不動産取引に掛かる税率は現在の基本率である3%から最低15%に引き上げられるという。
取引価格が3000万チャットまでの場合15%が課税され、3000万チャットから1億チャットまでの場合には20%、1億チャット以上の場合は30%が課されるという。新しい税率は4月1日から適用される。
昨年4月、政府は鈍化した不動産市場の活性化を狙い税率を大幅に引き下げた。
昨年は1億チャットまでの取引に課される税金はわずか3%であった。取引額が5億チャットまでの場合は5%、10億チャットまでは10%、15億チャットまでは20%、15億チャット以上の場合は上限の30%が課せられた。
低い税率にも関わらず市場は立ち直らず、さらには、昨年10月に公開された半期指数では360億チャットから140億チャットと前年と比較し3分の2近くまで税収は落ち込んだ。
「税率を下げ、誰もが不動産を購入できるように後押ししたが、低い税率に基づき資金洗浄を狙う人間が購入する機会にもなってしまった」とKyaw Kyaw氏は述べた。
「不動産税は所得税よりも低い。この状況を制御するために税率を再び上げることを決定した」。
市場の低迷と高い税率を目の当たりにした不動産市場は驚きを隠せない。
「通常、中流階級の人々は3000万チャットから1億チャットの価格帯の不動産を購入しようとするが、この価格帯の税率は非常に高い」とミャンマー不動産協会の秘書官Moh Moh Aung氏は述べた。
「人々は税金の支払いを止め、税収が更に落ち込むと考えられる」という。人々が税金を支払わない場合、更なる問題に起因して所有権に関する書類の更新を見送ることが考えられ、更なる問題が生じる恐れがあると補足した。
ヤンゴンでは不動産購入者は契約書を作成し、税金を支払い、ヤンゴン開発委員会に新しい所有者を登録しなければならない。
「これには約4、5カ月かかる。レートが変動すれば、問題が起きるだろう」。
「政府は税収を増やす必要があるが、レートは国民の許容範囲でなければならない」と彼女は付け加えた。
不動産業者のWin Shwe Wha氏は、新しい税率に関して聞くまでは来年度の販売に関して楽観視していたという。
「不動産市場は2014年末以降下落し続けている」「今年は再び軌道に乗ると期待していたが、政府が税率を変更した今、市場の動向を予測することは難しい。様子を見るしかない。」と述べた。
(Myanmar Times 2016年 1月29日版 第10面より)