ミャンマー投資委員会、数十の投資を許可する

 ミャンマー投資委員会(MIC)は、最終会議において、新政府就任前に、多数の投資(豪華リゾート施設、高層オフィス、港湾開発、工場、道路等)を許可した。
 大統領へ直接応答する立場にあるMICは、外国投資、ジョイントベンチャー投資、現地投資を許可するため、月に数回の会議を開いてきた。
 2015年1月のMICの情報によれば、各会議で許可される投資平均数は10件以下であり、これまで20件しか許可されてこなかった。
 この傾向に反して、MICは、3月25日、48件の新規投資を許可した。 報道官は、許可件数が異常に多かったことを問われると、前日コメントできなかったU Aung Naing Oo長官に聞くように求めてきた
 とりわけ、MICは、ヤンゴンの港における主要プロジェクトの多数を許可した。
 著名な大物Khin Maung Aye氏が所有するKaung Myanmar Auug Shiping Companyは、Sekkan居住区の港湾埠頭及び支持施設の建設について同意を得た。
 New Downtown Development Publicは、ミャンマー港湾管理委員会が所有するNanthida複合施設におけるショッピングモールを建設するための許可権を有し、New Strand Development Companyは、Ahlone地区で1番の Ahlone国際空港における商業オフィス、小売、ホテル、アパートを建設する許可を有する。
  Yangon Heritage Trust の創設者 Thant Myint-U氏は、「ヤンゴンからティラワ(ヤンゴンの南東に位置する)までの全ての港と産業設備の段階的な動向を確認したい。公共のウォーターフロントを作り直したい。」と述べる。
 「これは、ヤンゴンが、より健全でより楽しい都市へ、真の国際都市へと向かうものであり、潜在的には年間10億ドルもの収入をもたらすだろう。」と彼は述べる。
 ティラワでは幾つかの港湾関連投資が許可された。Khaing Oo Companyは埠頭と建物を建設することを許可され、Myamnar Edible Oil Industrial Public Companyは、ティラワ湾地区における、多目的かつ国際的な波止場を建設・管理することを許可された。
 MICは、直近の会議において、Ayeyarwady地方のH&Co Platinum Pathein Companyの15エーカーのプロジェクト(ホテル、ショッピングモールと別荘で構成される)を含む幾つかのホテルとリゾートを承認した。
  Pongpipat Development(Tanintharyi地方でHeindaスズ鉱山を管理することで知られている)はMyitta(Dawei郡区)でHtee Khee村でリゾート施設を建設する許可を与えられ、K FutureCompanyはKawthoung地区のBo New Kyaw島でホテル建設の許可を得た。
 ヤンゴンでは、KT Development Companyは、ホテル、オフィス・スペース、小売、サービスアパートメントその他商業施設を建設することを許可され、Yankin郡区の11.753エーカー(AC)の広さを長期間賃借することを許可された。
 大物Khin Maung Aye氏と繋がりのあるNew City Development Publicは、ヤンゴン地方の東Dagon地区で工業地域を建設するための許可を得た。Khin Maung Aye氏の別の会社であるKaytumadi Development Pubicは、Bago地区のTaungooにおいてさらに2つの工業地域を建設するための許可を得た。
 Bago地区において、Hantharwady Development Publicは、2455.77エーカーの土地上にありえないほど大きなエコリゾートとハイエンドな公営団地を建設するための許可を得ており、Thiri Multi Agricultural CompanyはTaungooでホテルを建設する許可を得た。
 幾つかの道路もまた許可され、Mya Kan Engineering、Htoo Naing LinとLinn Shwe Sin Companyの3つの会社は、砕石を生産・運搬するための許可を得た。
 Sembcorp Myingyan Power Companyは、マンダレーの近くで225メガワット・ガス燃料工場を建設するためのゴーサインを得た。
 この工場は、最終的には、ヤンゴンの他のどの独立したガス燃料工場よりも多くの電力を送ることができる。
 マレーシアの会社であるOCK Yangonは、国際的な航空運送業務を運営するための通信情報基盤とアジアのブルーインパルスを製造するための許可を得た。
 同社は、日本のANAホーディングスとShwe Than Lwin氏が所有するGolden Sky World Companyとの提携で、ヤンゴン東京間でサービスを提供する予定である。
 ただし、MICの許可はプロジェクトが進むことを必ずしも保証するものではない。
 香港に拠点を置くディベロッパーのMarga Landmarkと幾つかの地元企業が実施する、シャーダゴンパゴタ付近での不動産プロジェクトは、昨年初めに、大統領によって取り消された。 
 これらのプロジェクトの多くは、他の政府機関から許可も必要とする。それでも一旦許可が与えられれば、許可が無かったことにするのは難しい。
 NLDの経済委員会の議長を先週解任されるまで務めていたHan Thar Myint氏は「後任政府はこのように多数の投資が許可されると警告されていなかった」と述べた。
 「各大臣のオフィスが我々にその決定を知らせる必要がないため、我々にはこれについての知識がなかった。たとえどのようなケースであろうとも、[退出していく政府]が多くの新規投資を許可したことに対して、我々は批判することができないし、反対することができない。」「新任の大臣が就任して以降しか、批判したり反対したりすることができない。」と彼は述べた。
 先月、NLDは、選挙と政権交代の期間中に、退出していく政府の役人によって行われた有利な商取引を調査するように要求した。
 軍の議員は、これに異議を示すために不同意とした。退出していく政府は激怒し、大統領の報道官Ye Htut氏に対して、議会へ説明する必要がないことを示唆させた。
 「現職の連盟政府が2回目の議会に対して説明責任があるかどうかは、憲法によって再調査される問題です」と彼は述べたうえで、質問と提案への応答という議会との協力を政府が「停止する」ことを決めたことを加えた。

(MYANMAR TIMES 2016年3月30日版 第8面より)