数年にわたり上下院で何度も議論が繰り返されたコンドミニアム法が、現政府の解散が迫った2016年1月22日、ついに議会を通過し可決された。
同法は大統領の承認を要するが、これにより外国人は原則、6階以上からなるコンドミニアムの40%まで購入することができる。
専門家は、この待望の法律が健全な税収と最大10億米ドルの外貨をもたらすだけでなく、停滞した不動産市場を押し上げると期待する。
同法の成立は、国境付近で開発を進めるディベロッパーにとっても吉報となった。例えばダウェイではタイのバイヤーに、シャン州では中国のバイヤーに販売することができる。
建設省により草案された法案は3年もの間議論され、上下院間で膠着状態であった。下院議会では、外国人の購入を高層マンションの50%までと主張する一方、上院議会は40%にするべきであるとしていた。最終法案は40%で提案され、外国人バイヤーは販売される10戸のうち4戸を購入できることとなった。
ヤンゴン管区上院議員のKhin Shwe氏は、新しい法律によりミャンマーの貿易赤字を最大4分の1削減することができるとみている。「赤字は40億米ドル以上である。今、外国人がコンドミニアムを購入することができるようになれば、最低10億米ドルの売り上げを見込める」と彼は述べた。
またアパート販売には5%の商業税が課税される。「これはドルを合法的に調達する方法である」と彼は付け加えた。
ヤンゴン管区下院議員のKhine Maung Yee氏は、新しい法律は不動産市場の強化につながると期待する。「これはミャンマーで事業を行う外国人投資家の高い関心を集めている。市場活性化だけでなく、ミャンマーチャットの強化にもつながる」と彼は述べた。
外国人は依然として土地や家を購入するのに障害があると、マンダレー管区のアマラプラ地区の議員Thein Tun Oo氏はいう。「外国人は建物が建つ土地の管理や所有を認められていない」と述べた。
Khin Shweヤンゴン管区上院議員によると、ミャンマーには約4,000〜5,000戸のコンドミニアムがあるそうだ。「4億チャットから5億チャットのアパートを所有する余裕があるミャンマー国民は1000人以下である。残りは外国人が購入することになるだろう」と彼は述べた。
このニュースはShwe Kabar Constructionの会長Maung Maung氏を安堵させた。「現在、多くのコンドミニアムが販売されている一方、国内需要はないため、販売が伸びることを期待する」と彼は述べた。
コンドミニアムの販売は、2014年に開始された完成前の予約販売が人気となった昨年で半分になった。抵当市場がない状態で、国内需要は非常に少数のバイヤーに限定され、需要はすぐに衰えた。さらに予約販売を行った事業を完了させることができないディベロッパーも出てきたため、需要の減退に拍車がかかった。
「ミャンマー国民だけでは市場にあるすべての部屋を購入することができない」「これからは残り全てを外国人に販売することができる」とMaung Maung会長はいう。
法律の詳細は大統領の承認を経て発表される予定である。今のところ、既存のコンドミニアムに適用されるかどうかは明確ではないと、ヤンゴン最古のパールコンドに住むSit Han Kyi氏は懸念する。
「私は法律が承認されて嬉しいが、新しい建物にのみ適用されることを心配している」と彼は述べた。
(Myanmar Times 2016年1月25日版 第9面より)