三井住友銀行(SMBC)は、チャットの変動に対する保護策への強い要望に応えるため、ミャンマーでの為替予約を試験的に開始する。
SMBCは日本の一顧客に対し為替予約を提供していると、ヤンゴンオフィスの職員はミャンマータイムズに語った。それはまだ試験段階であり、全顧客を対象としたサービスではないという。
為替予約は、将来の特定日に他の通貨に両替するためのレートを設定し確定させる。これによりその間の為替変動リスクを回避できるというものだ。輸出入業者は通常、この為替予約を使用しており、為替リスクが取り除かれることにより、輸出入業者は事前に正確に費用を計算出来るようになる。
SMBCの試験運用では、固定レートでドルからチャットに両替することができる。職員によると金額は10万米ドル以下と比較的小さく、期間も2週間と短い。しかしミャンマーで営業する外国企業の為替予約に対する明確な要望は、より高額で長期の需要があることを意味する。
既に議会に提出されているミャンマーの新しい銀行及び金融機関法は、為替予約を認める。現行法ではできないこととなっているが、規則は問題ではないとSMBC職員はいう。
「問題は有用性である」と彼は述べた。「顧客は為替予約を希望しているが、私たちは取引のパートナーを見つける必要がある」。
ミャンマーでの為替予約の需要は、主にドルからチャットへの両替を行う企業にある。多くの国際的企業がドルからチャットへの両替を希望するが、ドルを売るミャンマーの銀行を見つけることは難しいと彼は述べた。
チャットの変動はドルの保有価値を上げ、既に国内銀行市場ではドルが不足している。昨年のドルに対するチャットの価値は27%以上落ちている。
SMBCの場合、現地銀行のKanbawza(KBZ)銀行と提携を組み、サービスを提供している。
「ある種の私たちが必要としているサービスの1つである」「私たちは国際金融システムに沿う必要がある」とKBZ銀行の上級顧問のThan Lwin氏は述べた。
中央銀行のウェブサイトに掲載されている法案によると、新銀行法には銀行が「為替予約や先物為替予約、スワップ、為替商品、金利商品」を販売、取り扱うことができるとされている。新しい法律が制定されるまで、中央銀行は規制者としてこのような商品の取り扱いを抑制する可能性があると、Than Lwin氏は考える。
「そのため私たちはゆっくり動いて」おり、KBZとSMBCは他の企業と共に為替予約の勉強会とワークショップを行っているという。
「次の段階として他の現地銀行と交渉しなければならない」とSMBCの職員はいう。「私たちは予約レートの計算方法を教え、銀行業界の成長に貢献していきたい」。
(Myanmar Times 2016年 1月21日版 第8面より)