ミャンマーのLTO、企業脱税対策に真剣に取り組む

高額納税署(LTO)は今年、規則に従わなかった納税者に対し厳重措置を取ると警告している。
LTOは2014年に設立され、ヤンゴンのダウンタウンにオフィスを構える。当局は自己申告納税制度に基づく納税を管轄しており、他の企業税納付者を管轄するCompanies Circle Tax Office (CCTO)とは別機関である。
合弁企業、銀行、金融機関、通信、航空、建設業者、外資会社などの約500社がLTOの自己申告制度の対象となっている。当局は電子納税システムを運営しているが、他の税務署は依然として紙での管理を行っている。
LTO副局長で内国歳入局(IRD)徴税部の部長であるTin Myo Naing氏は、設立初年度に納税者の教育と推奨を目指すと言っていた。しかし法令を守る企業は少なく、この方針は変更を余儀なくされた。LTO職員が既に企業に期限までの申告を幾度となく通知しているにもかかわらず、今年、厳しい規則が導入される予定だと、彼は2016年1月13日の高額納税者会議で発表した。
「私たちは企業の経理担当から期限どおりに所得申告を受け取ったことがなく、彼らが自己申告納税制度(SAS)に精通していないことを理解した」と彼は述べた。またLTOは、ほとんどの税務申告が提出された納税証明書と一貫していないと指摘する。
LTOの運営は開始当初はうまくいっていた。LTOによると2014年度、高額納税者の少なくとも90%が財務諸表を報告し、納税申告も行った。しかし2015-2016年度の第1,2四半期には56%が税を納めなかったという。高額納税者は必ず4半期ごとに税を納め、納税証明書を提出しなければならない。
LTOは、コンプライアンスの低下は、前年度職務としての行動が足りなかった結果であると考えている。2015年度の第1,2四半期で納税が遅れた企業は、違反金として10%が追徴される。
LTO職員は期限を守らない納税者の調査には時間が限られており、そのような企業に集中するため、期限までに納税した納税者にかける調査時間を短縮すると、Tin Myo Naing氏は述べた。
納税者の一般的な慣習として利益を過小に報告することがある。そのため、自己申告制度ではなく賦課課税制度に基づく税務署は過小報告を埋め合わせるために高い税金を課す傾向にあるとTin Myo Naing氏は付け加えた。しかしLTOは違う。
「このシステムは倫理と企業に対する信頼のうえに成り立つ」と彼は言う。「そのため企業は信頼を得るよう努力しなければならない」。
LTOは今年度末までに納税を怠った企業の企業名を公表する予定だが、会社利益やほかの機密情報を公表することはないという。2014年にCCTOは脱税企業のリストを発表したが、間違ってリストに載せられた企業もあった。
LTOは、深刻な滞納者に対しては財産を押収する場合もあるという。「しかしそのような段階に至るまでには何度も警告を行う」とTin Myo Naing氏は述べた。
LTOとは別に、CCTOには中規模納税事務所1と2の2つの部署があり、2016-2017年度に自己申告納税制度への移行を目指している。
(Myanmar Times 2016年 1月15日版 第10面より)