ミャンマーの仲裁法案 外国人投資家に良い影響を与える

半世紀前の法の改正法として新しい仲裁法案が施行され、在ミャンマー外国人投資家が抱える主要な懸念に対処する手助けになると期待される。
ミャンマーは2013年、多くの国が加盟するニューヨーク仲裁条約に署名し、批准した。この条約の下では、両当事者が締約国であれば、一方で下された仲裁判断は自動的に他国で執行されることになる。
しかし条約に署名し批准しても、国は執行を実現するため国内法を整備しなければならない。ミャンマーは1944年の仲裁法に頼ってきたが、この度の新しい法案は条約を十分遵守したものとなっている。
「私たちの最初の印象は、国際規格であるニューヨーク条約の文言に従い法案が作られている」というものであり、「これは外国人投資家や国外からの投資に対し有利に働く」とヤンゴンのAllen&Overyでパートナーを務めるSimon Makinnson氏は評価する。
交渉が決裂した場合、企業や経営者は仲裁を行う。典型的な契約書には、準拠法と仲裁場所を規定する条項が設けられ、仲裁は一般的に中立な第3国で行われることから、ミャンマーで運営される企業はシンガポールで仲裁判断を受けることになる。
しかしこれまでは、ミャンマーで運営される企業は、シンガポールや他の場所で決定された仲裁判断を執行できると少しも思っておらず、また外国人投資家は、既にミャンマーの脆弱な法的枠組みしか持たない裁判制度に対し慎重であった。
ミャンマーの外国人投資家にとって、仲裁判断を執行するための強固な法的枠組みの欠如は「法的リスクのトップテン」に入っており、この新しい法案は「法律家や事業家たちから待ち望まれている」とMakinson氏は述べた。
また法案は国内における仲裁裁判の発展の基礎となるが、これは先だった方法であるとヤンゴンに拠点を置く弁護士はいう。外国企業は依然、紛争解決場所としてシンガポールや香港を選択する可能性が高い。そのため新しい法案の直接的な影響は外国の仲裁判断の執行に及ぶと述べた。
法案によって、仲裁判断が突然ミャンマーの裁判所で円滑になるわけではない。「仲裁判断を執行する手続きに関し、最高裁判所の裁判官を訓練する必要がある」とMakinson氏は述べた。
「彼らは仲裁判断の執行を拒否しうる根拠と執行すべき場合の根拠の欠如をどのように理解するのか訓練する必要がある」。
ミャンマーはここ数年、法律の改正において着実に進歩を遂げている。ニューヨーク条約の批准から国内で法案を通過させるまで3年を要したが、珍しいことではない。
「2015年から75の新しい法律が通過した」「またその期間は珍しいことではない。過去数年間で法的枠組みは発達し多くの改善が行われている」とAllen&OveryのシニアアソシエートChris Burkett氏は述べた。
(Myanmar Times  2016年1月15日版 第12面より)