労働法を軽視した経営者は刑務所に入るべきだと、労働組合は主張する。彼らは、全ての不正を働く経営者に罰金を科すことのできない現在の法律をNLDが強化することを期待している。
ミャンマー労働組合ネットワークに属する工場組合の代表者は2016年1月5日の記者会見で、調停委員会からの指示にも関わらず、企業側が解雇された労働者の再雇用を拒否するケースが数多くあると主張した。この違反で課すことができる罰金の最高額は100万チャットで、同団体は抑止力として不十分であると述べた。労働紛争解決法のもの懲役が科されることは、経営者に法の精神の尊重を突きつけることになるという。
他の要求には、出稼ぎ労働者や他の労働者の権利を保護する法律の施行、労働者の合意なしに規則を課したり、争議交渉のために設立した調停委員会を考慮せずに労働者を解雇したりする経営者に対する罰則などがある。
ヤンゴンのHlaing Tharyar地区で働く約2000人の労働者の抗議は、この要求の後押しとなった。
Hlaing Tharyar地区にあるSan Kaungバック工場の組合長Aung Soe Min氏は記者に、労働者の権利保護を訴える従業員を解雇するなど経営者は争議調停評議会による決定を軽視している。
「ある争議で中央調停評議会は、解雇した労働者を補償とともに再雇用するよう指示した。しかし過ちを認め罰金を支払った経営者は、労働者の再雇用を拒否した。労働者は権利と仕事の両方を失った」と語った。
法律は、違反した経営者に対し1年間の懲役を科すべきであると彼は述べた。
Great Well One靴工場の組合書記官 Hein Zaw Nyein氏もまた、解雇されたという。「調停評議会の決定では、私と組合長は再雇用されるべきだとされたが、工場長はこれに従わなかった。彼は罰金のみ支払い、私たちには何も残っていない。私たちは調停評議会による無罪の決定を得たにもかかわらず、職を失うこととなった。私たちは新政府が法律を改正し、懲役刑を認めることを期待する」。
労働組合は雇用者、被雇用者双方ともに恩恵を受けられるようなより良い労働環境を構築することを目標としているが、ほとんどの経営者は組合を有害なものとみなしていると、労働者代表は述べた。
1月4日に、経営者の労働法違反に関して取材したミャンマー縫製工場協会副会長Aung Win氏は、工場オーナーは生産性の高い労働者を雇用したがっていると回答した。彼は、昨年9月に導入された1日3600チャットの全国最低賃金によって『労働者の考え方の変化が生じ』、生産性の下落をもたらしたと語った。
2012年3月制定の紛争解決法改正の動きは、以前混乱をもたらした。2014年9月に、Pyidaungsu院は罰金の上限額を100万チャットに引きあげたが、労働者代表だけでなくThein Sein大統領と彼の側近は懲役刑規定を追加する要求を無視した。国会議員は、外国投資に悪い影響を与える可能性があるとして反対票を投じた。
しかし中央調停評議会の雇用者代表でもある法律専門家のMaung Maung Win氏は、法律に懲役の規定を追加する組合の要求を支持すると述べた。
「誰もが刑務所に入ることを望んでいるわけではない。ただ、解雇した労働者を再雇用してほしいだけである」と彼は述べ、最大500万チャットの補償金が与えられた労働者もいると付け加えた。
「これらのケースでは、100万チャットの罰金は評議会の決定に従わない経営者に対する抑止力としては不十分である。法律で、最低1年間の懲役刑を科すべきである」。
約15の係争中の事案において、今後3か月間のうち、経営者には中央調停評議会の決定に従わなかったとして地区労働部門から罰金が科されるであろう。
(Myanmar Times 2016年 1月7日版 第5面)