ミャンマー登録企業、消滅の危機

多国籍企業や現地複合企業を含む20,000以上の企業が、営業中であるかを問う確認に対し返答を怠ったため、登録から削除される恐れがある。
この確認は多くの現存しない企業や納税を避けるために設立されたフロント企業関連の登録を一掃する目的のもと、投資企業管理局(DICA)が2015年9月に国営放送を介して発表したものである。
DICAはウェブサイト上で、登録から削除する企業のリストを公表している。削除された企業はミャンマーで事業を行うことが出来ない。
いくつかの企業は昨日、期限前にDICAの確認文書に返答しており、リストが正確でない可能性があると主張した。
DICA局長の Aung Naing Oo氏は、リスト上の全企業がすぐに削除されるのかどうかという質問に対し、「期限まで回答を行っていない、つまり現存しないこと意味しており、当然である。」と回答した。
だが同氏はリストが間違いを含んでいる可能性を検討するとし、企業は「十分な説明をもって登録の継続を訴える権利がある」と補足した。
Capital Diamond Star Group、Eden Group、Ga Mone Pwintなどの多くのミャンマー企業も、DICAのリストに含まれている。
外国企業には、日用品の多国籍企業のユニリーバ(ミャンマー)、海運業のマークスラインミャンマー、ホテル業界のヒルトンワールドワイドインターナショナルミャンマー、貿易企業のタタインターナショナルが含まれている。
不動産代理店のジョーンズ・ラング・ラサール、シンガポール系のSurbana Consultants、決済事業のMyanmar Red Dot、ダウェイ特別経済特区のディベロッパーItalian-Thai Development Company、マンダレー空港再開発のために合弁企業を設立したMC-Jalux Airport Sercvice や、東京三菱UFJ銀行を含めた銀行も掲載されている。
DICAは営業中の企業を把握する必要があると、Aung Naing Oo局長は以前ミャンマータイムズに語っている。
「定期的な報告を怠る企業も多く、廃業したと思われても仕方がない。私たちは正確な数字を把握する必要がある」と彼は主張する。
「その一方で、納税を回避する目的で会社を設立し、適切な清算を行わず消える悪質なものもあり、私はこれらをリストから削除する必要がある」。
ミャンマー会社法第247条によると、DICAは活動していない企業を解散させることができる。
当局は会社登録の一掃だけでなく、電子システムの開発についてもアジア開発銀行の支援を受けている。ADBが昨年公表したレポートでは、約50万の営業中の企業がタイ会社法の下で登録されているのと比較して、DICAは登録中の企業のうち約30,000企業のみが営業中であるとみている、と記されている。
また登録の更新は、国税局にとっても納税者の追跡に役立つ。当局は徴税率の上昇を試みている。なお、現在の徴税率はGDPの8%であり、東南アジア諸国内でも最低水準のままである。
(Myanmar Times 2015年11月23日版 第8面より)