ミャンマーの産業団体によると、タイヤ工場の建設地としてミャンマーを狙う国際投資家は、国産ゴム製品が低品質であることから、投資を決めかねている。
ミャンマーでは何十万ヘクタールの土地がゴム農園として投資家に借地されており、しばしば議論を呼んでいる。
総生産量のわずか8%がミャンマー内で使用されており、残りは中国へ輸出され、そのうち70%が低品質であると、ミャンマーゴム工場・製造協会(MRPPA)の書記官Khine Myint氏は述べた。
適切な法律の枠組みがないため、天然資源を狙う企業は自身の利得しか考えていないため、ゴム農園への外国投資は短期的なギャンブルになる傾向にある。
「私たちが歓迎する投資家は、完璧な法律ができ、それを遵守する投資家である」
より持続可能な投資を誘致するために、ゴム農園者もまた自身の製品の品質を見直す必要があると、主張する。
「良質ならば、彼らは高価格で販売できるところを容易に見つけることができる。低品質のゴムを生産すれば、最低レートで中国に販売するしかない」。
ミャンマーのタイヤ業界には多くのチャンスがあるが、市場への参入を目論む外国企業は高品質の原材料が入手できることを望んでいると、彼は語った。
政府は過去数年間、国産ゴムの品質の改善を試みているが、成功した例は少ない。国内で生産したゴムの20%しか、タイヤ製造に適していないのが現状である。
既存の4つのタイヤ会社は既に、良質の材料の入手のため必死になっており、3つの国営工場の内2つは手一杯の状態である。国で唯一の民間所有の工場であるヤンゴンタイヤ工場のみ、輸出が可能である。
これは外国人投資家が現在市場を狙っているため特に懸念されていることであると、工場のマーケティング部長Htin Kyaw氏は述べた。
彼によると、タイの企業は既に、タイヤ工場の開設に興味を持っているそうだ。
「いくつかのタイ企業がダウェイ特別経済特区(Tanintharyi 管区)に工場を開設する予定であると聞いた」。
ヤンゴン郊外にあるティラワ特別経済特区で日本の日産といった自動車会社が組立工場を開設すれば、我々のようなタイヤ工場も利益を出すだろうと彼は言った。
しかしKhaing Myint氏は、外国人投資家はミャンマーの生産品質が向上するまで待つことができないと考えている。
「彼らは十分に高品質なゴムを販売できたときにはじめて、投資を行うだろう」「これが、日本政府が品質の改善を手助けしている理由である」という。
「多くの自動車工場や建設企業がミャンマーで開業しており、国内のタイヤ販売は大波にのっている」、建設投資が注目された昨年、多くの自動車が建設材の運搬に使用されたと彼は述べた。
Htin Kyaw Oo氏によると、電力供給が信頼できないこともタイヤ生産の障害となっている。またミャンマーにおいては、タイヤ製造に必要な薬品を輸入する必要があり、他国と比較して安く、簡単には入手できない。
日本からの協力を得て、ゴムの品質を試験する研究所がヤンゴンに作られ、ミャンマーはマレーシアにある国際ゴム協会(IRA)に加盟申請も行った。
国内最大のゴム生産地であるモン州で、商業省は商業省、農業省、MRPPA省により共同で管理される中央ゴム市場を設立することを計画している。
(Myanmar Times 2015年11月19日版 第9面より)