在ミャンマー北朝鮮大使、米国ブラックリストに掲載

総選挙に伴いミャンマーに対する米国制裁が解除されるのではないかという期待が高まる一方で、北朝鮮大使を含む記載の追加という、ブラックリストの最初の入れ替えが行われた。
2015年11月13日、最終的に米国財務省は、Kim Sok Chol在ミャンマー大使を含め、北朝鮮政府とその武器取引に関わる4人と1つの企業を制裁対象とした。
政府は北朝鮮政府と友好な関係を維持しており、最近は9月に代表団を派遣している。武器取引は国連制裁に基づき禁止していると当局は主張した。
米国財務省の確認は取れていないが、関係筋によると、北朝鮮との関係はミャンマーに対する米国制裁が依然として残る主な理由の一つであるとのことである。
それにも関わらず、今回の措置は制裁問題を複雑にし、2015年11月8日の選挙でのNLDの圧倒的勝利をうけて期待されるミャンマー制裁全体の解除について、実現するのかどうか疑問が生じている。
2015年11月13日の声明で米国財務省は、在ミャンマー北朝鮮大使であるKim Sok Chol氏はコリア・マイニング・ディベロップメント・コーポレーション(KOMID)の取引を促進していると述べた。
KOMIDは北朝鮮の主要な武器販売業者で、弾道ミサイルや一般の武器といった商品や関連部品を輸出している。2009年に国連により制裁が行われ、米国も今年すでに制裁を強化している。
Kim氏は、KOMIDと「ミャンマーの防衛関連者」との金融問題を議論する会合などの北朝鮮国営企業のために会議の場を設けるようKOMIDに雇われていると、米国は発表した。
2014年2月にKim氏は「両国の友好と発展」に注力し、Sai Mauk Kham副大統領と面会したとミャンマー国営メディアは報じた。
また米国は、エジプトに拠点を置くHwang Su Man氏、平壌に拠点を置くRi Chong Chol氏 と共に、ミャンマーに拠点を置くKOMID職員のKim Kwang Hyok氏を制裁対象とした。
北朝鮮とミャンマーは物議をかもす軍事的なつながりがあり、ヤンゴンのアウンサン将軍廟(殉難者廟)に攻撃した1983年に外交関係が途切れるまで数十年間、世界で孤立した北朝鮮は国軍に武器を流してきた。正式な外交関係が回復した2007年以降、武器の問題は、国際監視団と諸外国政府の主要な懸念事項となっている。
米国はミャンマーに、核兵器技術における協力を恐れ北朝鮮との関係を完全に絶つよう要求した。米国政府は、この2つのアジアの国の関係に対し定期的に追加制裁を課している。
ウィキリークスにより公表された米国外交公電によると、2009年8月に、KOMID関連のファンドによるミャンマーから中国への多額の資金送金を助成したとしてKorea Kwangson Banking CorporationとTanchon Commercial Bankを制裁対象とした。
2013年12月に、米国財務省はAsia Metal Company、Soe Min Htike Company、Excellence Mineral Manufacturing Company のミャンマー企業3社と北朝鮮との武器貿易に関連することを認めたKyaw Nyunt Oo陸軍中佐を制裁対象とした。
ミャンマー政府は韓国政府との関係回復を目指しており、また韓国政府はミャンマー政府に対し、朝鮮半島の安全保障、特に北朝鮮の核兵器力に関しての支援を要請したと、以前ミャンマータイムズにより伝えられた。
ミャンマーと北朝鮮の関係は未だ危険視されている。
9月に行われた外務省代表団による北朝鮮訪問は、「外交関係の発展のため」だと、Kyaw Zeya外務省副大臣は述べた。
(Myanmar Times 2015年11月16日版 第6面より)