米国のミャンマー制裁政策の結果に混乱

2012年に初めて規制を緩和して以来、米国政府によるミャンマー制裁政策は飴と鞭を使用して、経済発展の促進と更なる改革を目標としている。
しかし実際の発展と成功にも関わらず、制裁の継続は米国とミャンマーの双方の意図しないところで、利益に影響を与えている。
今も続く制限や条件の誤解、米国制裁のもつれに関する多くの懸念が、投資に萎縮効果を与えた。
加えて、上場廃止手続に関する混乱と長期間の審議は、完全な制裁の解除を目標としている特別政策委員会(SDN)の妨げとなっている。
世界的包括制裁プログラムからの最初の政策転換によって、米国は更なる改革を奨励するだけでなく、経済発展を促進しミャンマーの人々の福利に貢献する意図を明らかにした。
しかし、制裁はこれらの大きな目的を達成するための障害となる場合がある。
SDNはミャンマー経済に関連するあらゆる分野と関わっており、ミャンマーの多くの優良企業や有益な資産をSDNは所有している。
現在SDNは規制の解除を求めているが、企業行動における変化を成功させこれを証明するまで、彼らは完全に米国企業や個人に受け入れられることはない。
これはパートナーシップや合弁企業関連の選択を制限するだけでなく、購入、販売、賃借、さらには既に取引を始めた事業の一般的な日々の業務取引をも制限する。
最近の例では、SDNが株主であるため採られた制裁によって、現在、ヤンゴン港での取引が影響を受けており、予期せぬ問題や困惑の発生が見られる。
米国金融サービスの承認制度に関する同様の状況下において、米国は制裁下にあった次の4つの主要な金融機関との取引を承認した:Myanma Economic Bank , Myanma Investment and Commercial Bank, Asia Green Development Bank, Ayeyarwady Bank
金融取引サービスが許可されていたにも関わらず、このライセンスによってこれらのミャンマー大手銀行は直接取引することは出来ずにいた。特定の解決法をとることも重要だが、米国は速やかに政策に相反する、予期していなかった制裁影響に対処すべきである。
また、ミャンマーでの新規投資の条件を記した報告によって混乱が生じている。総計50万米ドル以上を投資する米国投資家は、国務省に年間報告書を提出しなければならないという。
彼らはまたミャンマー石油・ガス企業(MOGE)に参入する場合にも、国務省に通知する必要がある。
レポートに記載されている情報は今後の米国政策を見極める材料であり、米国企業の参入は、幾分か困難が生じるであろうが、同時にミャンマーの事業環境の改善も見込める。
多くの企業はレポートを提出しているが、その目的に懐疑的であり、歪められ誤って解釈された情報によって世間から批判されることを恐れている。
米国政府は、理解を深めるようレポートの必要条件の目的を明確にし、このような懸念を静めるよう努めるべきである。
制裁の解除は行政法的手続きであり、解除が求められる個々のSDNの案件を調査、評価し、事実やその案件固有の状況を確認するには時間がかかる。
しかし、誠実にプロセスを踏んで投資している人にとって、終わりの見えないものに時間をかけることは出来ない。解除手続きが勢いを落とした場合、米国は自国の政策と手続きの信頼性を失い、SDNの解除を求めるさらなる意欲を損なうリスクを負うことになる。
これまでの解除が言われている通りに適切なプロセスを踏んでいれば、選挙後にはミャンマーの解除に対する希望と野望は大きくなるだろう。
米国政府は、ミャンマー政府が現在及び選挙後に行われる経済と政治改革に取り組み続けることを期待している。米国はミャンマー政府の努力を損なうような制裁活動を行う一方、積極的に経済と政治改革を進めるよう要求している。
これは一方通行ではない-米国は改善するまで支持し続けるべきである。制裁政策が成功したら、米国はSDNの改変するよう働きかけ、便宜上問題を解決し、ビジネスが難しいミャンマー経済での米国企業の事業を支援するよう努めなければならない。
(Myanmar Times 2015年11月5日版 第11面より)