世界的に緊張が高まる政治的イベントによって、インターネットが規制される場合があるが、政府職員によると、政府機関はオンラインへのアクセスを遮断する意図はないという。
郵政局(PTD)局長U Than Htun Aung氏は、政府はインターネットを遮断するよう指示を出す計画はないと述べた。
「メディア及び市民権利団体はインターネットの切断を懸念しているが、ミャンマーで民主化が始まった以降、私たちはそのような命令を出したことはない。政府にインターネットを切断する意図はない」。
実際、同局は、通信故障を防止するようオペレーターに指示を出していると彼は述べた。
「私たちは選挙期間中に、そのサービスの復旧を確実にするため通信会社と協力している」。
最後にミャンマーで通信が切断されたのは、2007年のサフラン革命中だった。
U Than Htun Aung氏は切断の計画はないと言っているが、政府は特定の状況で通信サービスを中断する権利を保持し、このような決定を下す基準の詳細は公開されなかった。
2013年の通信法の第77条で、通信情報技術省(MCIT)は「公益に影響を及ぼすような緊急事態が起こったとき、通信サービスを中断する権利が与えられる」と明確に定められている。
また同省は、「特定フォームの通信を操作するためではなく、必要な情報通信を入手するため、通信の傍受と、一時的な通信サービスや通信機器の制御を」オペレーターに命ずることができる。
これはMCITによる同条項の公式な解釈だが、他の解釈では政府連合の承認を条件として公共の緊急時に、同省はサービスの停止または中断を指示することができるとされている。
Myanmar Center for Responsible Business(MCRB)はMCITが草案した通信計画へのコメントで、政府は「極端な場合を除いて、緊急時の定義を明確にしたうえで、通信サービスの中断又は切断をしないことを約束する」ことが重要であると述べた。
これらは通信法や同法の関連法規等のどこにも記載されていないという。MCRBは、政府機関がサービスを停止させる状況を明確に定義するよう基本計画の変更の必要性を示唆した。
しかしU Than Htun Aung氏は、「サービスの中断」という言葉は文字通り「インターネットの切断」と解釈されるものではなく、このような切断は法的根拠を有するものではないと述べた。
「法律のどこにもインターネット切断のための規定はない」彼は規定を自己説明と呼び、多くの現代の通信法の基準であると述べた。
その目的は人々の生活の保護、法の原則の維持、日常活動の継続であり、中断されたサービスをできるだけ早い時期に回復させることであると、彼は述べた。
U Than Htun Aung氏によると、規定ではサービス中断の根拠を緊急事態としているが、基準は機能していない。
しかし、規定の目的を妨害するような状況は、公の緊急事態とみなされうると、彼は述べた。
規定の枠組みはあるが、詳細は詰められていない。U Than Htun Aung氏は、指示は政府の承認を条件として、同省が行うであろうと述べた。
そのような指示の法的根拠は主に通信法に求めることが出来るが、司法システムが成熟するにつれて、議会は公の緊急事態を想定した条件を含む一般法を制定するようになるだろう、と彼は述べた。
その一方で、指示の正確な規定はまだ十分に検討されていない。「国際的な常識として、通常、指示は特定の根拠をもってなされる」と彼は述べた。「しかしその根拠について考える特定の理由がなかったために、その検討を怠ってきた」。
2015年9月に発表されたMCRBのICT(情報通信技術) 部門の影響評価によると、インターネットやモバイルの切断は団結の自由に影響を与え、「人権侵害につながる」。
ミャンマーの明確な法的枠組みの欠如は、通信会社に対して明確な法的根拠がないまま通信機能を切断する指示が与えられるというリスクを負わせており、表現の自由のような人権の尊重という責任に影響を与えている、と報告されている。
「ネットワークの停止は、メッセージを配信する手段を遮断することで表現の自由を抑制するために、世界中の政府はいつも使用している」。
国内3つの通信会社の1つであるTelenor ミャンマーによると、全世界における各政府機関は、究極の状況において通信を遮断する権利を持っている。
2015年9月に同社最高経営責任者Petter Furberg氏はミャンマータイムズに、同社は、これは内閣の承認が必要になると考えていると述べた。「私を呼び出して停止について尋ねるものは誰もいない」と彼は述べ、このような状況が起きた場合、当社の顧客に注意を喚起するだろうと付け加えた。
「このような状況が起きたと仮定した場合、私たちは政府に対し必要となる場所(そして期間)を特定し、顧客への影響が最小限となるよう促すつもりである」。
インターネットアクセスが切断される可能性に関して尋ねられたOoredooの最高経営責任者Rene Meza氏は、同社は「ミャンマーの法律に従い行動し、ライセンスの条項を遵守する」と述べた。
「私たちはそのような行動をとる決定を行う場合には、あらかじめ細心の注意を払いその問題と取り巻く環境を調査するつもりである」と彼は述べ、更なる質問への返答は控えた。その一方MPTの合弁事業の最高業務執行責任者紅野義明氏は、他の事業者と同様に、「我々も規則と規制に従う」と述べた。
(Myanmar Times 2015年 11月4日版 第11面より)