ミャンマーの競争力のない国営銀行は民間セクターに市場シェアで負けているが、再構築の希望は時期尚早である。
国の4つの国営銀行は銀行総資産の60%以上を占めるが、2011年に同セクターが自由化されて以来、成長と改革が民間レベルに追いついていない。
国会議員は、財務省に対して、より強くて金融包摂が成長している民間銀行のように縮小すべきだとして、国営銀行、特にMyanma Economic銀行(MEB)の規模を縮小するべきだと促した。
MEBは307の支店を持ち、カバーしている範囲が国内で最大である。村落での銀行サービスを提供しており、財務省の代理として、国営のMyanma Agricultural Development 銀行(MADB)を含めた他の銀行に高い補助金付き融資を発行している。
ドイツの開発機関GIZによると、このために、MEBは、1990年以降の赤字経営となっている。赤字はミャンマー中央銀行を通して、補填されている。
国際通貨基金の職員は以前ミャンマータイムズに、MEBと他の3つの国営銀行-MADB, Myanma Foreign Trade 銀行(MFTB)、Myanma Investment and Commercial 銀行(MICB)-は、経済開発を支援するために改革を行わなければならないと述べた。
IMFと世界銀行は、国と銀行政策をどのように近代化するかについて政府に助言している。
世界銀行が、政策の改革、1行又は複数行との合併を含めた多くの選択肢を提示したことを、ネピドーのMEBマネージャーは述べた。
「彼らは改革に関するアドバイスを提供するが、私たちの現在の問題を解決することができない。それは複雑である」と彼は述べた。
事業再編や民営化には時間がかかり、さらに銀行法と規制の変更が必要になる。また、予算と財務省の承認次第であると彼は述べた。
MADBへのローンを除くと、MEBの預貸率は民間銀行の80%と比較し20%から30%のみである。IMFによると、MEBが最近、流動性資産を吸収するために短期国債の購入を開始したが、それは問題の解決にはならない。
MEBは、他の銀行よりも預金金利が低い-8.25%から10%の民間銀行と比較して約8%である-が、部分的に国営口座で構成されているため、預金ベースは保証される。民間銀行セクターに対する国民の信頼の不足からの恩恵である-預金者は低い金利であっても、政府をバックに持つ銀行によりお金を預ける。
問題は、MEBは、他の政策銀行を通じて、農業分野へはたったの4%の金利でローンを提供し、中小企業へは8%の金利であることである。
国営銀行は中央銀行に報告するが、農業灌漑省の下のMADBを除いて、財務省の下で運営される。
結果として、不良債権率、預貸率、自己資本比率を含むいくつかの必要条件について、民間銀行に対するのと同様に厳しくコントロールされる対象となっていない。
全ての銀行は、資本準備金を最低200億チャットを保有していなければならないという草案が施行されると、国営銀行は自己資本水準の増加の手助けとなるビジネスモデルを再検討する必要があるだろう。これは大きな挑戦となるだろうと、MEBマネージャーは述べた。
「政府は私たちに(資本を)毎年提供するが、民営化されるのであれば、それは解決とならない」と彼は述べた。「しかし私たちが公営の銀行としても、我々が利益を出していないことを知っているため、誰も株を買わないだろう」。
MEBの他の大きな課題は、顧客対応と技術サービスを向上することである。「我々は、近代的な銀行システムに明るくないので、新しい商品を効率良く販売するには時間がかかるだろう」とマネージャーは述べた。
MEBは中小企業に直接お金を貸し、高金利の開発財政ローンを発行すべきであると、MICBの前社長で現在Myanmar Oriental 銀行の会長であるU Mya Than氏は述べた。政府と財務省はまた、更なる運用上の自由を与えるため、国営銀行のローン政策の規制を緩めるべきであると、彼は述べた。
「彼らは利益を生み出すために再編する必要がある」と彼は述べた。「彼らは銀行経営に堪能である専門家が必要で、国営企業で習慣となっている賄賂・汚職行為を廃止する必要がある」。
MICBはかつて国内、外国銀行両方のリーダーであり、その役割が維持されるなら開発の必要があると、U Mya Than氏は述べた。「例えば、彼らが国内市場に参加し、発展を手助けすることを望む」と彼は述べた。
MICBとMFTBは国際銀行業を専門に扱っている ―彼らは1つの支店を持ち、マンダレーにMICBのオフィスがある。政府部署、国営企業と数名の個人が、MFTBに外国為替口座を持っている。
今年早期に、MICBが輸出入銀行として再構築又は民営化されるという噂が出たが、そのような計画はまだ発表されていない。
MICBマネージャーは、銀行改革の予定はないと述べたが、決定権のある役員がMEBに異動した件については、さらなる議論を控えた。
(Myanmar Times 2015年 8月31日版 第9面より)