ヤンゴンの外から来たタクシー運転手がヤンゴンで道に迷い、怒った乗客は不満をこぼす。運転手の免許取得の必要条件として、ヤンゴン市内の道路に関する知識を試すテストがないため、多くの乗客が、ついには自ら方向を指示することになる。
安価な車の輸入、レンタル料金は、ミャンマー北部から多くの人々を運転手の職に就くよう誘発し、また運転手の利益を低減させることとなった。そのため、経験のある運転手は辞めて他の仕事を探すようになっている。
「1月の終わりに、パンソーダンストリートに行くためにタクシーに乗りました」とトゥワンナ地区に住むニン・シーさんは言った。「私が座った後、運転手は私にどの方向に進むのか尋ねました。彼はマンダレーから着いたばかりでヤンゴンの道を知らないと言ったのです」
ライン地区に住むスー・スーさんは、先週の夕方、パラミ・セインゲーハースーパーマーケットに行くため人民公園の前でタクシーを呼び止めた。
「この時間は、渋滞で行きたがらないタクシー運転手もいるので、最初は喜んでいたのです。しかし、運転手が違う方向に進み始めたとき、私はどこに行くのか尋ねました。彼は答えないので、私は止まるよう言いました」と彼女は述べた。「運転手はこの道を運転したのはとても前のことなので忘れてしまったと言いました。私が方向を教えなければいけませんでした。」
疑い深い乗客は、この明らかな無視は料金を増大させる方法ではないかと述べた。
「道を知ることは彼らの仕事です。彼らは道を知らないふりをしているのです。運転手も乗客も道を知らない場合は、問題が起こります」とテット・ナインさんは言って、こう付け加えた。「いつもタクシーのナンバーを記録し、家に電話して、自分が帰途についていることを伝えています」
しかし、最初の乗客を乗せる前のヤンゴンでの運転経験は、タクシー運転手に求められていない。彼らはgagyi及びnga(ミャンマー文字アルファベットの4番目と5番目の文字から名付けられた)の運転免許が必要とされているだけで、それで国内どこでも運転することができる。
「それは、彼らが「ヤンゴンの道を知らない」ということに対して、対策をとることができないということを意味している」とヤンゴンの道路交通局長、チョー・アエ・レウィン氏は述べた。
タクシー免許機関の所長であっても、タクシー運転手は方向を尋ねてくる、と述べた。
「それは私にも起こることです。道を尋ねる運転手のタクシーを呼び止めることもあります」と、ヤンゴン管区自動車監督委員会(Yangon Region Supervisory committee for Motor Vehicles、マ・タ・タの頭文字でより知られている)の議長であるラ・アウン氏は述べた。
マ・タ・タは、2014年10月1日にヤンゴン都市開発委員会から市内のタクシー登録業務を引き継いだ。しかし、ラ・マウン氏は、運転免許が発行される前に、運転手の道路に関する知識を証明する資格条件を導入する予定はないと述べた。
マ・タ・タによると、ヤンゴンのタクシーの数は2014年10月からの18か月間で20,000から55,000台と約3倍になっている。地方自治体の法に違反して実施されている、州やヤンゴン以外の地域で登録されているタクシーはこの数値に含まれていない。
警察によると、タクシーの大多数が認可されているが、認可されていない運転手もいる。
「私たちは正規免許を所有していないタクシー運転手に遭遇することもある。これは日中よりも夜によくある。しかし、1989年の法律では、罰金は1,500チャットのみである」と交通警察代表のウィン・レウィン氏は述べた。彼は、乗客はタクシーに乗るときタクシーの登録番号を記録するべきだと付け加えた。
運転手によると、豊富な経験を持つ現地のタクシー運転手は、賃金が安いことから辞めていき、ミャンマー北部からの多くの新人が取って代わっているとのことである。
また、運転手のコ・コ・ジー氏は、多くの運転手は、政府が新しい車の輸入を認めた後に仕事を始めたと述べた。多くが道の構造に慣れておらず、また交通ルールにも精通していない。「タクシー産業はすでに崩壊している」と彼は述べた。
(Myanmar Times 2015年6月3日版 第6面より)