ミャンマーは依然として契約の実施、少数投資家の保護が脆弱

世界銀行による最新の報告書によると、ミャンマーは電力供給へのアクセスの改善及び現地ビジネス開始の緩和の2つの改革が実施されたという。しかし、民間セクターに影響を与える規制の多くは、依然として停滞している。
最近公開された世界銀行の2019年ビジネス実施ランキングで、ミャンマーは昨年と変わらずビジネス全体の容易さの項目で190位中171位であった。これは、ビジネス実施においてアセアン諸国の中で最低ランクに位置しており、3年連続である。
経済は、現地企業に適用される規制環境のいくつかの重要な側面である10の項目の事業の容易さのスコアの各平均に基づき、1位から190位で事業の容易さのランクが算出される。分析は、事業開始に関する規制、不動産の登記、クレジットの取得、少数投資家の保護、税金の支払い、国境を越えた取引、契約書の実施と破産の解決に関する定量的指標を提供している。経済の事業の容易さスコアはゼロから100までの規模で反映されており、ゼロが最低で100が最高のパフォーマンスを意味する。ミャンマーのスコア平均は44.72で、東アジア太平洋地域の平均63.41、2番目に低いラオスの51.26と比較してアセアンの中で最低である。
主な弱点
ミャンマーの最低スコア(100点満点)の側面には、クレジットの取得(10.00)、倒産の解決(20.39)、契約の実施(24.53)、少数投資家の保護(25.00)がある。
一方、他国と比較して最も悪い実施エリア(190か国中、1位が1位)は、契約の実施(188位)、少数投資家の保護(185位)クレジットの取得(178位)、国境を越えた取引(168位)、倒産の解決(164位)である。これらは政府が熱心に取り組む必要がある重要な側面である。
例えば、ミャンマービジネスでは契約の実施に平均1160日必要とし、東アジア太平洋地域の平均581.1日の約2倍である。
昨年の指標では、ミャンマーは信用調査の確立を認める規制の採択により信用情報へのアクセスが改善され、印紙税を減らすことにより不動産登録の費用を削減したと報告した。
この地域の多くの国で更に改革が進んでいる。中国は7つの改革と、経済ごとの改革数が2番目に高い。例えば、北京は建物許可の取得手続きを合理化することにより建設許可の手間を省き、またネットワーク容量を拡張することにより、160KW以下の電力負荷の全接続は現在低電圧ネットワークに直接接続し無料とすることで、北京と上海で容易に電気を得ることが出来るようなった。
アセアン内では、マレーシアが6つの改革を実施し、商品およびサービス税のオンライン登録システムを導入することによりビジネスの開始を容易にした。また不動産検索実施のためのオンライン単一ウィンドウプラットフォームを実装することで、容易に不動産譲渡を行えるようにした。タイは会社所得税の計算及び提出のオンラインプラットフォームを強化することで税金の支払いを容易にした。インドネシア、フィリピン、ベトナム各国は3つの改革を実施した。
これに関連するミャンマーの改善の不足は、2020年までに指数を100位以内に引き上げることを繰り返し約束してきた現政権の大きな政策の失敗と広くみなされ、目標がまだ達成されていないことは明確である。

改善の実施
それにもかかわらず、ミャンマーは他の事業エリアで進歩を遂げた。10の指数の中で、ミャンマーはビジネスの開始(スコア77.33)、ヤンゴンの電力供給(55.67)を改善した。
ネピドーは登録料を引き下げることによりビジネスの開始費用を引き下げ、干渉期間指数(SAIFI)の年間システム平均及び干渉頻繁指数(SAIFI)のシステム平均のデータの記録を開始することにより、停電の監視と規制を改善した。国はまた電気料金をオンラインで公開することにより、更なる透明性を電力にもたらした。
それでも、依然としてこのフロンティア経済における改革への取り組みを進めるには長い道のりがある。例えば、新たな事業の開始は、ミャンマーの14日と比較してシンガポールでは1.5日である。また電気の確保ではクアラルンプールの24日と比較して、ヤンゴンでビジネスを行うため電気を確保するのに77日かかることは困難といえる。
(Myanmar Times 2018年11月6日版 第5面より)