タイ拠点のスピリッツ及びビールメーカーであるThai Beverageは、Myanmar Distillery Company (MDC) グループとサプライチェーン関連事業の株式の75%を10億シンガポールドルで買収した。シンガポールに上場のThai Bevは、内部キャッシュフローと外部借入で資金調達したと述べ、テキサス州のプライベートエクイティファームTPGの持ち分の半分の売却を含む4つの非当事者ベンダーからの株式取得であると個別に公表した。TPGは4.944億USドルで当該株式をThaiBevに売却したとのロイター通信報だが、同社は2015年12月にこの株式を1.5億USドルで買収していた。MDCはミャンマー最大のスピリッツ製造会社であり、国内大手のウイスキーブランドであるGrand Royalの製造元だ。ヤンゴンとマンダレーの蒸留、ブレンド、及び瓶詰の2施設では様々なウィスキーとジンを製造する。従い、ThaiBevは膨張するミャンマーのスピリッツ市場へのアクセスが可能となり、2020年までに東南アジア最大の飲料会社を目指すタイのスピリッツメーカーにとって重要な契機となる。ThaiBevはタイの主力スピリッツメーカーで市場の90%超を制する。今月初の報では11月にスピリッツの2新製品を発売の予定であり、鍵となるベトナム、カンボジア、ミャンマーといった市場での合併買収が必要と述べた。
所有者の息子であるThapana Srivadhanabhakdi氏と、食品・飲料業界の巨頭チャルーン・シリワタナパクディ氏が運営のThe Thai Companyは、人気のチャンビールも醸造する。同社はシンガポールの飲料メーカー Fraser & Neave (F&N) を2013年に112億USドルで買収した。F&Nはミャンマーで流通する100 Plus電解質エナジー飲料と同様、清涼飲料水、インスタント紅茶、豆乳を製造する。F&Nはかつて、同社の株式を45億USドルで2012年に買収のオランダの醸造会社Heinekenと共同で、Asia Pacific Breweries (APB) の株式を所有していた。APBはミャンマーで販売中の人気のタイガービールとABC Stoutを醸造する。ヤンゴンの市外で醸造所を運営のHeinekenは、Tigerに比してアルコール度数とテイストが軽めのTiger Crystalをミャンマーで10月14日に発売した。日本の飲料メーカーであるキリンホールディングスもまた、ミャンマービール、ミャンマーダブルストロング、アンダマンゴールドブランドを製造の、国の支援を受けるMyanmar Breweryの株式をF&Nから5.6億USドルで2015年に買収した。
2016年10月から2017年6月に至る最初の第3四半期までのThaiBevの売上は経済成長の遅れと国家服喪期間を理由に前年度比6%減の1,420億バーツとなり、同株式は10月13日に94シンガポールセントで取引を終えた。
(Myanmar Times 2017年10月17日版 第8面より)