ヤンゴン証券取引所(YSX)に上場している企業数は、2社が上場に必要な手続きを月末までに終え、さらに「2、3社が手続きを完了させている。」とミャンマー証券取引委員会(SECM)のU Htay Chun氏が述べた。これにより上場する企業の数が2倍になる可能性がある。
また、「10社ほどの企業が上場を検討している。」とU Htay Chun氏が述べたが、具体的な企業名は明かさなかった。
これは、伸び悩んでいる取引によい刺激を与えるだろう。YSXは取引が正式に開始された2016年3月と比較して、8月23日の終了時点で、取引量は2/3となる8,000株にまで下落し、取引金額は9,800万チャットほどに留まっている。
この閑散さの主な原因は、YSXに上場している企業数が少ないことにある。2016年3月からわずか4社しか上場されていない。ファースト・ミャンマー・バンクが 今年の1月に上場して以来、新規上場もない。
「上場している企業が少ないのと同じように、市場には数人の投資家しか居ない。投資家たちは、投資をしたくなるような企業に恵まれていない。なので、彼らの資産は投資に流れていない。」とU Htay Chun氏は述べた。
そして企業は、新株の発行によって資金を調達する機会を失っている。これは世界中の上場している企業にとって、重要な資金の調達法である。「国の経済発展のためには、自己資本へのアクセスが必須だ。」とU Htay Chun氏は述べている。
上場への厳しい基準
ヤンゴンの多くの会社は、YSXに上場することを重要視していない。なぜなら、証券取引所によって定められている厳格な上場基準を満たすことが、彼らにとっては困難だからだ。
2013年7月に制定されたミャンマーの証券取引法によると、登録されている公開会社は、営業ライセンスがあれば、SECMに認可されれば、株を店頭取引できるようになる。SECMに認可されるためには、企業は設立趣意書と関連の書類を提出しなければならない。
認可された後、企業は非公式な店頭取引協定によって、一般に向けて株を売ることが可能になる。現在、55社の登録された公開会社しかSECMにより認可され、協定の下で株を取引きしていない。
YSXに上場するためには、企業はさらに多くの基準を満たさなくてはならない。その基準は、100人以上の株主が居ること、払込済資本が最低で5億チャット以上あること、最低でも過去2年間の利益を公開し、納税の義務を果たしていることなどある。
U Htay Chun氏によると、現在、300社ほどが公開会社として投資企業管理局より認可されている。しかし、半分の企業しか事業の運営を開始するライセンスを持っていない。それら150社のうち、40社ほどがYSKの上場基準の75%を満たしており、基準を完全に満たしているのは2社しかなかった。
ミャンマーにおいて、株の取り引きやYSXに上場することは厳格で、多くが過去の違法なネズミ講と株の売買によって断られた。
税金の引き下げ
未だにYSXに上場している企業数を増やし取引を改善するための努力は続けられている。計画財務省は、上場していない企業の税率が25%のところ、YSXに上場している企業の税率を5%の減税し、20%とする声明を出した。
さらに声明は、上場している企業には、過去1年間の企業への査定による税金に関わる問題と罰金を、既存の税法を最低でも2年間応じていれば免除するとも述べている。
「過去2年間に渡って税金の支払いに応じてきた企業は、過去1年の査定で発生した罰金や罰則が免除される。これにより、多くの企業が上場を申請してくると考えている。」とYSXの事業部長であるU Thet Tun Ooは述べている。
しかし、まだ説明が必要なグレーゾーンも存在している。例えば、どれほどの期間に渡って減税が許可されるのかが説明されていない。タイでは上場企業の減税措置は5年が上限となっている。
ミャンマ―タイムズは歳入省が近日、詳細を発表する予定だということを掴んでいる。
ミャンマーは、毎年新しい税法を制定しており、YSX上場企業に対する減税は2017年の連合税法に初めて盛り込まれた。したがって、来年の税法に続報に企業は注意を払う必要があるだろう。
今のところ、経済界の反応は良好だ。「減税が1年限りのものなのか、それとも複数年続くのかについて私たちが混乱している間に、私たちの調査によると、多くの公開会社が話を聞くことに関心を持っている。」とU Htay Chun氏は述べた。
(Myanmar Times 2017年8月24日版 第7面より)