ミャンマーは、物品、サービス、労働、資本の自由な流れをもつ単一市場、生産拠点を築くことを目的とする、ASEAN経済共同体(AEC)に加盟する12月31日まで、約16か月を残す。
AECは、今のところ、共同体内における、関税撤廃、貿易促進、資本市場制限枠組みの整備、技術者の流動性の促進、消費者保護、知的財産権の促進等において、一定の成功を収めている。
今後数年間にわたり、グローバル価値連鎖の中において、ASEANの競争力を高めることを念頭に、より高い生産性、科学技術、技能開発を通し、成長を促進することを主眼としている。
ミャンマーにとって、AECは、国内企業に、東南アジア地域における、よい実践から学び、吸収する良い機会を提供する。経済も、外国直接投資、貿易緩和から利益を受ける。
しかし、ミャンマーは、これらの利益を楽しむには悪い立場に置かれており、ビジネスの展望という点において、自身の国民や近隣国へほとんど寄与しない。ミャンマーの製造業分野は、依然として、高品質の商品を生産することに苦心しており、銀行分野もいまだ、貿易金融支援を提供できないでいる。一方、ビジネスは、資金へのアクセスという面において、困難に直面しており、国はいまだ、新型ビジネスが登録できるか条件を公開していない。
「ミャンマーは、AECに参加する準備をする必要がある。現状のままでは、AECへの加盟が確定された時、私たちの国内企業は、この地域において競い合うことはできない。」とAEC経済学者のTin Cho氏は述べる。
「ミャンマーの中小企業(SMEs)にとって多くの障害が依然として残っており、市場拡大のための貿易フェアを企画することは困難である。ミャンマー中小企業を向上させるための取り組みは、遅すぎる。2019年1月から、私たちは、さらなる優位性を要求するチャンスはなく、他の国々と競わなければならない。政府だけがこれらの問題を解決できる。」と彼は述べる。
最前線にいる、国家顧問であるアウンサンスーチーは、自身の政府1周年記念にて、自身が、直接経済の発展を監督すると述べた。一方、7月29日、副大統領であるMyint Swe氏は、国内の中小企業の発展を促進することを目的とした民間セクター開発委員会の設立のため、起業家、事業経営者と面会した。
以下は、議論に基づき、ミャンマーがAECに悪影響を与え、与えられる前に取り組むべき、最も喫緊の課題とされる5つである。
資金へのアクセス
ミャンマーでは、中小企業は、銀行金融への容易なアクセス手段はなく、日本国際協力機構や国際金融公社といった国際的な国際機関からのローンに大きく依存している。ここでさえ、お金は、国内銀行によってのみ、提供される。
これは、国内銀行の利子が13%ほどの高い水準にある上、これらの利子を下げることは、預金利率は、インフレーション率を下回ってはいけないという中央銀行の金融政策の見直しを必要とすることに起因する。ASEAN+3 Macroeconomic Research Office(AMRD)によると、ミャンマーは、2017年3月に7%まで下がったものの、2000年から2015年の間、平均して16%のインフレーション率を記録している。
「この政策のせいで、銀行の預金は自由に取扱い、借りることはできない。」とSME開発銀行CEOのZayar Nyunt氏は述べる。
ミャンマーの銀行もまた、貸付記入表を拡大させるための策を不足している。「私が、ドイツを訪れた時、銀行が地区を回り、中小企業に対し必要な時にローンを貸し出せるよう、彼らの状況を学んでいるのを目の当たりにした。ミャンマーでは、銀行は、中小企業との関係を築かないで、オフィスからローンを広げる。」とヤンゴン地域首長である Phyo Min Thein氏は述べる。
製品標準
ミャンマーの輸出者は、製品の統一化の不足により不利な状況に置かれている。
「ミャンマーが標準化した輸出向け製品を生産できるとしても、製品を標準化する組織がないため、それは不利である。」とミャンマ―商工会議所(UMFCCI)の取締役員である Aye Han 氏は述べる。
「私たちは、AECの下の自由貿易環境において私たちが競争する時、輸出分野において私たちが、より多くの機会を得られるようにするため、工業標準を満たす製品に対して、確認証明書を発行する組織が必要である。」とAye Han 氏は述べる。
「全ての輸出向け製品は、良い品質であり、工業標準を満たしていなければならない。同様に、私たちの国に輸入される製品の品質は、私たちの品質基準を満たすかどうか調らべられなければならない。」
知的財産権
技術ソフトウェアライティング等の新しいビジネスが、ミャンマーにて広がりつつある。しかし、それらのいくつかのビジネスは、政府により認識されていないという単純な理由だけで、法律上登録されていない。
「技術ソフトウェアライティングビジネスは、認識されておらず、それを登録することは、難しい。政府は、これを取り計らうべきである。」と企業家組織理事会員であるMay Pyae Sone Kyawel氏は、述べる。
また、知的財産権への保護もないため、起業家は、ビジネスをするうえで困難に直面している。よって、IPR法は、即急に必要であるとKhin Maung Cho 氏は述べる。
「私たちの国、ミャンマーでは、国際市場に追いつくためにも多くの起業家が必要である。私たちは、彼らを後押ししていかなければならない。私たちは、彼らを認識し、保護していかなければならない。よって、私たちは、適切なIPR法が必要である。」と連邦大臣は述べる。
Pyidaungsu Hluttawは幾つかの分野に対する新しいIPR法の条項を承認したものの、まだ含まれていない分野もある。
税優遇措置
ミャンマーの税率は、他の近隣国と同等の水準にあるものの、税金を支払うための煩雑な手続きは、国内の事業主に多くの困難を強いる。
一方で、流動性の問題から、前納所得税は小規模事業にとって、大きな重荷となっている。原材料として一度、さらに、最終製品として、再び課税される製品もある。
「税務局は、すべての事業、それぞれに応じて、利益税を作っている。」と国内事業主のSoe Htun氏は述べる。それ全ては、多くの新進のビジネスのキャッシュフローを侵食し、それらの成長を妨げている。
「事業運営は、経費に対して、減税を付与することで促進されなければならない。また、製品が最終段階で課税される場合、原材料の段階での税金は取り除かれるべきである。」とSoe Htun氏は述べる。
より良い政策
非効率、不明確、かつ重複している政策は、連邦レベルで集約されなければならない。「1つの製品に対して、3つ、4つのライセンスではなく、1つのライセンスを発行することは不可能ではないのではないか。毎年更新するものではなく、数年間にわたるライセンスを発行することは、不可能ではないのではないか。政府が解決しなければならない基本的な不便さが存在する。」と国内ビジネスマンのThaung Win氏は述べる。
政府は、ミャンマーに輸入される違法な製品を効果的に制限しなければならない。
「違法な製品が原因で税金を支払うビジネスの状況は良くない。政府は、それらを解決しなければならない。」とAye Han 氏は述べる。
どうであれ、ミャンマーは、AECの下、ASEAN中から製品が国内に輸入されるまで、16ヶ月ある。「来るべき2018年12月より、多くのASEANの製品が、ミャンマー国内へ流入する。それは、とても心配なことである。政府は、私たち自身のビジネスの生き残りを確実にするために、緊急の対策を講じる必要がある。」とTin Cho氏は述べる。
(Myanmar Times 2017年8月21日版 第6面より)