ミャンマーの中央銀行、外国銀行の貿易金融を自由化か

ミャンマー中央銀行は、ローカル銀行が輸出入業者の貿易金融を促進できない場合、外国銀行に取引サービスの開始を認める可能性があると、中央銀行局長のWin Thaw氏はミャンマー・タイムズに語った。
「中央銀行は、すでに、ローカルの民間銀行に貿易金融を認めています。 もし(ローカルの民間銀行が)貿易融資の問題に十分に対処できない場合、私たち中央銀行は、ミャンマーにある外国銀行の支店が輸出入者に対して取引専用口座(取引口座)を開設することを認める計画を立てています。もっとも、他の種類の口座(貯蓄口座)の開設に関しては、外国銀行の支店に認められることはないでしょう。」と彼は言った。
現在、ミャンマーには、支店を開設するためのライセンスを中央銀行から受けている国際的金融機関が13ある。中央銀行は、これらの外国銀行の支店に、ローカル銀行との合弁事業の形でのみ口座開設を許可しているが、新しい計画では、もはやジョイント・ベンチャーが前提条件ではなく、外国銀行自身が取引口座を自由に開設できる予定だ。
しかし、輸出入業者の話では、Win Thaw氏は、中央銀行が、外国銀行が取引口座サービスを提供できるようにするのは、ローカルの民間銀行が貿易金融事業に十分な資金を提供できない場合のみであると述べたとのことである。
このような状況に至ったのは、実業家らがローカルの銀行から資金を確保することが困難になったため、企画財務省、中央銀行、商務省と会って、外国銀行が金融供給を補完するように働きかけた結果である。
「一部の民間銀行は貿易金融を提供しているが、金額は非常に少ない。銀行が輸出業者に貸せる額は、わずか4〜500万ドルです。彼らはビジネスに必要な貸し付けをすることができません。」
「とても多くの貿易業者がいるため、銀行は多くの資金を提供することはできません。1つの銀行が提供できる額は最大でも500万〜1000万ドルといったところでしょう。」とミャンマー米穀企業協会の理事であり、彼自身も輸出入ビジネスに携わっている事業者である、Soe Tun博士は語った
現在、24の地方銀行のうち9つの銀行が貿易金融に携わっており、船積前の資金調達と船積後の資金調達の両方で貿易業者を支援しています。船積前の資金調達とは、船積前の商品の購入、加工、製造または包装の費用調達のために輸出者になされる貸付を指します。船積後の資金調達とは、商品が船に積み込まれた後、目的地に到着する前に、承認の輸出者に銀行から提供される貸付金をいう。
貿易業者と中央銀行によると、これらのサービスは国際的な銀行によって提供されているとのことであった。
地元の農家や輸出業者は、商品が目的地に達する前に銀行から先払いを受けることができるため、この貿易金融手法に依存している。現在、ローカルの銀行はこのサービスを提供しているが、資金調達のレベルは不十分である。
「ミャンマー米の輸入問題について我々中央銀行とスリランカで話し合ったとき、彼らは信用状(L / C)制度で支払いをしたいと言いました。しかし、我々にとっては、電信転送(TT)システムの方が好ましいのです。
「他の国では、信用状の下で資金を借りるシステム(信用融資)がありますが、これはミャンマーでは利用できません。 我々が外国の銀行にそのようなシステムの使用を許可すれば、輸出の面で私たちにとってより便利になると思います。
「そういった理由で私は外国銀行による企業金融の促進を可能にする中央銀行の決定を支持しているのです。」とSoe Tun博士は語った。
信用状とは、購入者または輸入者の銀行が、売り手または輸出者の銀行に支払うという書面による約束をいう。電信転送(TT)とは、主に海外電信取引で利用される、資金を移転する電子的方法をいう。
「われわれの銀行は、他の国の銀行ほど強くありません。中央銀行は民間銀行の成長と発展を支援するための政策を立てなければいけません。貿易金融は十分な資金なしには成功できないからです。」とKanbawza Bankの上級顧問である Than Lwin氏は、と述べた。
「私たちの銀行(KBZ)はミャンマー最大の銀行ですが、タイで最も小さな銀行よりも小さいです。 私たちの国の発展は50年遅れており、今は国際的な銀行と競争することはできません。」
Soe Tun博士は、貿易業者が外国で取引口座を開設できれば、国際銀行の膨大な資本プールにアクセスできると付け加えた。この場合、ミャンマー国民に属する貿易の資本と収入は、最終的に海外からミャンマーに戻すことができる。
Win Thaw氏によれば、中央銀行は金融セクターを徐々に自由化することにコミットしており、ローカル銀行が発展し追いつくための時間を与えながら、外国銀行が金融セクターに段階的に参加する枠組みを用意している。
(ミャンマータイムズ紙2017年2月20日号第7面より)