結婚することに同意した後に女性と同居し、または妊娠させたが、結局結婚しなかった場合、その男性は、法律の草案が発効すれば、すぐに懲役刑を科される可能性がある。
女性に対する暴力防止法(草案)には、最終的には結婚するとの了解のもとに、女性と同居したり、または、女性を妊娠させた後に男性が結婚することを拒否した場合、女性が告訴できる旨の条項が含まれている。この法律の草案は、女性の権利保護の観点から見た立法上の格差を埋めることを目的としており、家庭内虐待やレイプなどの犯罪に対する厳しい罰を含んでいる。
「結婚することを約束して女性と性交し、その後結局結婚しなかったり、拒否した場合、その男性は3年から5年の懲役刑を受け、罰金を科される。」と 同法のある条項は規定している。 この草案では、被害女性が妊娠している場合、刑期は5年から7年に延びると付け加えられている。
「男性が結婚を約束したので納得して一緒に暮したのに、結局騙されたという訴えを多くの女性から聞きます。」と社会福祉部のNaw Thawar所長は語った。
同議長は、この草案が12月26日に社会福祉大臣に提出されたと付け加えた。さらに検討が加えられた後、草案は、連邦政府に提出され、最終的に議会に提出される。
ミャンマーの法律クリニックの理事であり、ミャンマーの弁護士であるHla Hla Yee氏は、ミャンマー・タイムズ紙に対し、今現在、嘘をつかれて性交をさせられた女性を守るための特別刑法はないと語った。
「現行の法律では、417条が詐欺行為を罰しており、金銭や性行為等に関する詐欺などあらゆる種類の詐欺行為に対して、適用できます。」と彼女は語った。
しかし、「(女性に対する暴力防止法の)この条項は、より具体的に、女性の保護を指向するものです。」と付け加えた。
社会福祉・再復興省は、女性組織、市民団体、国連とともに、2013年に新しい法案のを開始した。
上院議員のNaw Hla Hla Soe議員(NLD; Yangon 10)は、「この草案は、連邦法務長官府と検察庁の了解を得ており、その際この条項には何らの変更も加えられませんでした。つまり、この条項に対する法的な異論は何らないということです。」と言った。女性が告訴する場合にのみ、手続きが進むため、この結婚詐欺防止条項は行き過ぎたものではないと彼女は付け加えた。
女性組織ネットワークのコーディネーターであるFrecia氏は、同条項に賛成すると述べたが、既存の刑法を改善するためには、女性を暴力から守る規定が成立することがより重要であると付け加えた。
「現在も、既存の法律の中に実際にはあまり使われていない規定はありますし、どのような規定が成立しても実際に使われなければ意味がないのであって、我々は規定が実際に十分適用されるかどうかに焦点を充てなければいけません。」と彼女は語った。
法案は、1997年にミャンマーが署名した女性差別撤廃条約のような国際基準に沿って、家庭内暴力、経済的暴力並びに心理的、性的及び身体的虐待を法律上犯罪とすることを目的としている。
(Myanmar Times 2017年1月3日 第3面より)