高齢者の権利を侵害、悪用した人に2年間の懲役を課すとする法律が、現在議会で協議されている。2016年6月29日に国営メディアで発表された高齢者法案は、高齢者の権利、健康及び経済的福祉を促進、保護することを目指す。
同法案は、高齢者が物乞いを行うよう路上に出され、その稼ぎを「保護者」に引き渡すという高齢者の搾取の様子を映すビデオを議員が見たことを受け発表された。同ビデオはソーシャルメディアで広く拡散された。
積極的に社会活動を行ってきた上院議会議員Phyu Phyu Thin氏は、「これはミャンマーで高齢者を対象とする初めての法律である。これは必要とされている。伝統的に、私たちは高齢者の面倒を見てきたが、昨今、道徳心の低下が見て取れる。自分の代わりに高齢者に物乞いをさせる人もいる。次の議会で、この草案について議論できることを楽しみにしている」と話す。
ヤンゴン管区社会福祉局長Myo Set Aung氏は、このような虐待の取締りを知らせるため人々を集め、違反者に対し既存の法律に基づき対処することができると伝えた。彼は同草案を歓迎しており、虐待に対する罰則を設けることで高齢者の権利の保護に繋がると述べた。
法律では60歳以上の人を高齢者と定義する。その権利を侵害し有罪判決を受けた者は、10万チャット(85米ドル)から100万チャットの罰金や最長2年の懲役が課されることになる。
虐待の報告を受け付ける社会福祉ヘルプラインは、09-453197225である。
(Myanmar Times 2016年7月4日版 第6面より)