ミャンマーの信用調査委員会、CB規則を待望

ミャンマー中央銀行は、国内の銀行がより良くリスク評価を行え、融資を行う際厳格な担保要件を緩和できるような信用調査を行える環境を整えるための規制を6月に施行する模様である。
信用調査委員会秘書官Zaw Lin Aung氏によると、ミャンマー銀行協会(MBA)は既にシンガポール企業NSPホールディングスと信用調査合弁企業を設立するための契約を締結した。
同委員会は2014年のパートナー候補企業リストの中からNSPホールディングスを選択した。Zaw Lin Aung氏によると、MBAは合弁企業の約60%を保有し、NSPホールディングスが残りの40%を保有する。
だが同委員会はNSPホールディングスをパートナー企業と定めながらも、金融機関法の成立を待たなければならなかった。同法は1月に施行されており、銀行の情報は機密であり第3者に開示できないと定めた銀行保護法に代わる法律である。
信用調査は有料で、銀行が個人への融資決定を判断するために必要な情報を収集する手助けをする。通常個人の借手に関する情報を提供するデータベースも、銀行が提供する情報に一部依存している。
新しい金融機関法が施行された今、次は中央銀行が信用調査の運用に関する枠組みを定めた規則を制定する番である。中央銀行は信用調査の規制監督を行うこととされており、銀行及び他の金融機関に情報提供を求めることができる。
ミャンマーの銀行は既に、融資を行うときには経験と顧客に関する知識に基づいて信用リスクを判断している。しかし適切なリスク評価は依然として課題であると財務省事務次官Maung Maung Win氏はいう。
金融機関法では、銀行が担保無しで融資することもできるとMaung Maung Win氏は説明するが信用調査や信用情報システムの欠如は、銀行は依然として厳しい担保要件でのみ融資せざるを得ないということだ。
「現在私たちが集めた情報を基に融資を行うことはリスクが高い」とミャンマーオリエンタル銀行の会長Mya Than氏は指摘する。
ミャンマー中央銀行は2012年初めから土地、農産物、国債、金、預金の5つの担保融資を認めている。土地と不動産が好まれる傾向にあるが、多くの場合、短期で担保価値の半分未満の額の融資しか行われていない。
昨年4月に公開されたADB活動報告書によると、この担保ベースシステムは土地を所有する借主への「融資を必然的に規制」し、借手に関して銀行が知りうる情報は不足しており、小額の融資さえも躊躇する原因となっている。
詳細な情報を信用調査によって提供することにより、銀行の担保要件と金利を借主に合わせることや融資を受ける顧客層の幅を広げることにつながると期待される。
「信用調査は銀行の市場シェアと顧客の増加につながる」とMya Than氏は期待する。「銀行は金利やサービスで競争することになり、より多くのクレジットカードを提供できるようにもなる」という。
中央銀行の規制が制定されれば、およそ1年後には信用調査は運営できるとZaw Lin Aung氏は考える。ミャンマーの銀行は主要銀行システムとは異なる方法で運営され、それぞれのフォーマットに基づき顧客情報を収集している。信用調査はそれぞれの銀行が収集したデータを標準化する必要がある。
信用調査委員会は事業化調査を行っているところだが、信用調査は「来年には確実に運営が開始されるだろう」と彼はいう。
民間及び国営の全ミャンマー銀行はMBAに出資している。国営銀行も関与していることから、信用調査は連邦司法長官の承認を必要とするが、国営銀行の出資額は非常に少ないとZaw Lin Aung氏は述べた。
(Myanmar Times 2016年5月13日版 第11面より)