監視団体の報告:Blackwood氏は赦免、ミャンマー人同僚は引き続き拘置

昨年注目を浴びた、宗教を侮辱したとして有罪判決を受けたニュージーランド出身のバー経営者Phil Blackwood氏は2016年1月22日に恩赦を与えられインセン刑務所から釈放されたと2つの政治犯グループが伝えた。彼のミャンマー人の同僚であるバーのオーナーと共同経営者は釈放、赦免されなかったようだ。
元政治犯協会のメンバーであるTun Kyi氏は昨日ミャンマータイムズに、1月22日にBlackwood氏が自国に帰るため入国管理局職員に警護され、インセン刑務所から釈放されるのを見たと語った。これが彼の希望によるものか国外追放なのかは明らかではない。
FPPSは当初、Blackwood氏の同僚であり共同被告人であるTun Thurein氏とHtut Ko Ko Lwin氏も釈放されたと発表したが、昨夜間違いでありミャンマー人2人は恩赦を受けられなかったと伝えた。
3人は昨年の3月に、強硬派仏教徒のナショナリズムに抗議するため安価な酒を夜に提供する広告をだし、宗教侮辱を行ったとして告訴された。Blackwood氏の家族は恩赦が発表された後3日間も刑務所から釈放されたかどうか確認できなかったが、ミャンマー語の頭文字を取ったMa Ba Thaとして知られる同グループは、3人の釈放を阻止していると噂になった。
しかしMa Ba ThaのメンバーであるNya Dama長老は、グループはリーダー不足を補うことに忙しく、ブッタバー事件といわれるこの件に注意を払う余裕がないという。
「現在私たちは長老の担い手を探すことに全重点を置いている。私たちはBlackwood氏の釈放にかまう時間はない」と述べた。
ヤンゴンのニュージーランド大使館は先週、自国の外務省からは釈放に関する新しい情報はないと発表した。MFATは、Blackwood氏が1月22日に恩赦により釈放されたこと、省は釈放を行うにあたりBlackwood氏の家族に支援を行ったことを確認した。
Blackwood氏の家族は、昨日コメントを出すことはなかった。
なお、政治犯支援団体のBo Kyi 氏もまた、Blackwood氏と同様の内容で起訴されているにもかかわらず、2人のミャンマー人同僚が釈放されていないことを確認した。AAPPは3人を政治犯として考えていない。
「政府は2国間の政治的関係を理由にBlackwood氏を釈放したと考えられる。そのため(そのような影響のない)ミャンマー人労働者は恩赦から除外された」と彼は述べた。
102人の恩赦された囚人全員が釈放されている。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は昨日、ブッタバー裁判のミャンマー人容疑者が赦免されなかった場合、それは恩赦の性質が「無情な混同」と「茶番」であることを証明するものであると述べた。
「同様の罪で有罪判決を受けた3人のうち1人が釈放され、ほか2人が釈放されないのであれば、ミャンマーの法制度の政治的透明性の指標はまだである」とミャンマーのHRWのシニア調査官であるDavid Mathieson氏は述べた。
大統領府の部長Zaw Htay氏は、Blackwood氏の状況やTun Thurein氏とHtut Ko Ko 氏の釈放に関しては一切触れず、Ma Ba Thaが恩赦を阻止するために何でもやるという主張は真実ではないと彼は述べた。「私はイミグレーション手続きがどのように行われたのか正確には知らないし、これ以上述べることは出来ない」と彼は言った。
(Myanmar Times 2016年 1月26日版 第2面より)