中国・ミャンマー国境経済圏に高い期待

ミャンマーの中国との大規模貿易拠点として期待される新しい経済圏は、両国に新しい事業の機会をもたらすと、先週シャン州のMuseで行われた事業のソフトオープンで関係者や住民は期待を寄せた。
ミャンマーと中国の正式な陸路貿易の約80%はMusuから数マイルの国境地点を通過し、雲南省端麗に運ばれ、中国人バイヤーが原材料を加工したり、国内外で販売したりし利益を収めている。
ミャンマーの貿易業者のほとんどが端麗にある市場で働いている-この新たな294エーカーの市場は、国境のミャンマー側での商業中心地を建設するという当初の目的を達成したものである。このNew Star Light社と政府の支援を受け建設された商業施設は、雲南市場への挑戦でありMuseに正式な貿易をもたらす試みである。
ディベロッパーに関する詳細は、あまり公にされていない。同社は、所有者はマンダレーの起業家であると述べているが、地元住民は中国が裏を引いていると信じている。Musuでの事業と同様に、New Star Light社はマンダレーで3つの複合開発を行っている。職員は事業の財源を明らかにしなかった。
ミャンマー米連盟の副会長Soe Tun氏は、新しい事業がミャンマーに更なる貿易をもたらすと期待しているという。「すべての市場が国境の反対側にある。過去に私たちは商品をそこで販売しなければならなかったが、現在はここで売ることができる」と彼は述べた。
現在ミャンマーの輸出は105マイル国境貿易地帯として知られるMuseの外の大規模乾燥地帯で税関を通して行われており、正式な検査のため荷物をトラックから降ろし、税金を支払っているが、製品を販売するための専用スペースがない。「私たちは徐々に国境の自国側に市場を作る必要がある」とビジネス関係者のThein Soe氏は述べた。「特に翡翠取引にとっては、時間もかかり困難である。中国はミャンマーからの違法輸入した製品の販売により多くの利益を得ている」。
また中国会社はミャンマーから合法的に輸入された商品の保管や再販売でも利益を得ている。例えばスイカは中国にみすぼらしい茶色の箱に入れられて販売されており、化粧直しが行われているとNew Star Light事業の部長Ngwe Soe氏はいう。
「中国貿易業者はスイカを保管する簡素な巨大倉庫を所持している。彼らは箱を変え「ミャンマー産」と「有機果物」の2つを記載、世界中に販売することで巨大な利益を生んでいる」。
Muse事業地区には倉庫はないが、商業地帯の増設が予定されており、6つの段階に渡り建設が進められている。その第1段階は先週開業した192ユニットのミンガラバザーである。そこにはオフィス、銀行、卸売センター、宝石・翡翠の販売店が置かれている。
翡翠市場はMuseやカチン州のHpakant鉱山からの取引ルートにある町で作られた商品の販売のみ行うとNgwe Soe氏はいう。それはミャンマーから密輸した天然翡翠を販売する国境市場と競合している。
「端麗での翡翠の販売は違法である。現地製品の価格低下を防ぐために規則を設けている」とNgwe Soe氏は述べた。同地域へ貿易業者を誘致する入札では、翡翠の販売業者に光熱費を除き1年間家賃を無料で提供しているという。「私たちは合法な市場に見合うよう彼らを説得したい」。
非公式の翡翠取引に関して尋ねた時、Ngwe Soe氏はコメントを控え「私のボスは『目と耳を開き口は閉じろ』と言っていた」といった。
事業の第2、3段階は駐車場、公園、商業スペース、行政機関、レストラン、文化センター、フランスのAccorグループが管理する252部屋のIbisスタイルホテルなどのホテルが計画されている。それらは村の入り口付近に建設される予定であるが、住民は同社に土地を販売しなかったとNgwe Soe氏は明かした。
「そこはシャン民族の村である」と彼は述べた。「人々は伝統的な食事の屋台を開き、伝統衣装を身につければ、観光客が来て学ぶことができる。これは会社のアイデアである。私たちはこのアイデアを村民に勧める必要がある」。
第4段階は、200戸以上の別荘開発で、第5段階は100戸以上の「高級」住宅の開発である。Ngwe Soe氏は、同社はまた十分な土地が用意できる場合、この地区に倉庫を建設することもできる。
最終段階は、より多くの住居開発と古い道路の再開発である。同社は19席の飛行機を借りることができ、空港の拡大を検討しているが、現場は中国との国境に面しているので行わないこととしたという。「私たちは彼らの空域を侵したくない」とNgwe Soe氏は述べた。
New Star Lightはミャンマーと中国間の新しい国際ゲートの開設を望んでおり、政府承認を待っている状態だ。ゲートには、開口に好意的といわれるMuse出身の副大統領Sai Mauk Kham氏の後ろ盾がある。
Museは3つの国境ゲートがある-Nandawという政府職員のための特別玄関、車や3輪自転車のための白い象の玄関のSin Phyu、トラックのためのMan Wane玄関がある。
地元の人以外は国境を超えることは出来ない。
「国際観光客や企業が端麗に行くには昆明(雲南省)に戻り、マンダレーに飛び、そこからLashio,Museへと車で移動しなければならない」「国際玄関が開口すれば、世界中の人が歴史を学びに来ることができ、ミャンマーと中国の両方を訪れることができる」とNgwe Soe氏は述べた。
(Myanmar Times 2016年1月25日版 第8面より)