ミャンマーの元USDP書記官、翡翠取引との関連否定

畜水産・農村開発省の元大臣Maung Maung Thein氏は2015年11月27日に記者会見を開き、ミャンマーの大規模産業である翡翠取引への関与を否定した。
会見は圧力団体のGlobal Witnessによるミャンマー翡翠業界の詳細の公開に対応し開かれたものである。同団体によるとMaung Maung Thein氏が管理している2つの採掘企業(Myat Yamon社 と Myo Nwe社)は 合わせて2013、2014年と宝石販売業で売上(税込)1億4,000万米ドル以上を記録した。
Global Witnessが昨年だけで310億米ドルの利益があったとみている業界の主要な人物として他の役人や関係者の名前もレポートに記載されている。ミャンマー輸出総額は、かろうじて10億米ドルを売上げる。
Maung Maung Thein氏は先週、記者団に対し、「12の事実の内11が暴露された」状態で、Global Witnessはこれ以上主張することはないだろうと回答した。
同グループは調査結果を公開する前に2通の手紙を彼に送り、多くの問題を明確にするよう求めた。しかし彼は、手紙は「手続きに則って」送られなかったため、返信しなかったと回答した。
「Myo Nwe社のNay Aung氏が、Maung Maung Thein氏の息子であることが唯一の事実である」と彼は述べた。
「それ以外は純粋に誤った情報である。最も被害の大きい主張は、息子と私が選挙前に翡翠採掘から得た利益を、宗教暴動を鼓舞するために使用しようとていたというものであり、私の名声を傷つけるものだ。選挙での成功はこの主張の誤りを証明している」。
Global Witnessは、ミャンマーの翡翠産業は軍関係者と政治的影響力を持つ大物実業家のネットワークによって管理され、その一方で、カチン州の人々は紛争と貧困に直面していると報じた。
多くの実業家同様、Maung Maung Thein氏は翡翠から「巨額」を生み出しており、「国の選挙前は強硬派が宗教紛争や汚い手口に融資している恐れがあるときであり、国民は早急に翡翠で得られた利益の用途先を知る必要がある」とレポートには記されている。
Global WitnessのMike Davis氏は昨日、「選挙の実施は有り難いことに大部分が円滑に進んでいるが、これは有権者が選んだ政党が率いる政府への政権移譲というこれまで引き伸ばされていた繊細な手続きの始まりに過ぎないが、不安が残るものでもある」と語った。
彼は「国民に指示されていないが巨額の現金を持つ独裁者タンシュエと関係する人物は問題を起こす恐れがある。ほぼすべての国で金権政治は行われており、ミャンマーも例外ではない」という。
記者会見の間、Maung Maung Thein氏は「誤った非難」やレポートの詳細について言及することはなく、同セクターに関与していないことを説明したかっただけであるとメディアに伝えた。彼は、告訴する予定はないと述べた。彼はレポートに名前が挙がり公的な対応を行った初めての上級役人である。
先週彼の息子であるNay Aung氏は地元紙7Day Dairyに、Myo Nwe社の社長を務めているが、事業は彼の両親と関係していないと回答した。
彼は、友人Khin Maung Myint氏により設立された会社の取締役員だが、投資家ではないとミャンマータイムズに語った。「いくつかの企業は無償株式で設立されている」と彼は述べ、「どなたでも採掘事業におけるMyo Nwe社の成功を調査することができる」と付け加えた。
先週Irrawaddyに対し Nay Aung氏は、同社は政府との合弁企業を設立しており、鉱床を守るために保安隊を雇っているという疑惑を否定した。「私は地質学者として働いており、企業の利益は知らない」と彼は述べた。
この説明で納得することは出来ないと、Davis氏はいう。「Nay Aung氏は取締役の一員で、Myo Nwe社の株主でもある。取締役としての責任に怠慢でない限り、彼は同社の財状を十分に理解しておかなければならない」。
Global Witnessは、翡翠業界に精通した関係者、地元住民、公的資料からの情報といった証拠に基づいて、Maung Maung Thein氏はMyat Yamon 社と Myo new社の翡翠採掘ベンチャーの受益者であるという結論に達した。
「私たちはこの結論を固持する。私たちは、翡翠事業全体で家族や代理人の名前で運営している主要な登録企業の管理を偽造しようとする政治的権力者のパターンを確認している」と彼は述べた。
「Myat Yamon 社や Myo New社はこのパターンに当てはまる。業界人も現地住民でさえも実際の所有者がいるという錯覚には陥っていない」。
レポートで利益の享受者として取り上げられたカンボウザ銀行は、先月ミャンマータイムズに対し、同レポートによって銀行の評判が傷つけられたと語った。
KBZグループの上級管理者Nyo Myint氏は、翡翠産業は同社が手掛けた最初のビジネスで、複合企業内の事業においても合法かつ一番の収入源であると述べた。
「このことは当初から公開しているため、秘密ではない」と主張する。
「私たちはこのレポートは国にとって良いものであると考えている。KBZはミャンマーの採掘産業の水準向上のために、Global Witnessに今後も協力していきたい」と語った。
(Myanmar Times 2015年12月1日版 第9面より)