2015年11月8日の総選挙での政策の変更の期待を反映し、ここ数週間にわたり米ドルに対しチャットが極限まで強まったと専門家は述べた。
中央銀行の参照レートによると、今月初めの1287チャットから2015年10月30日には1米ドルに対して1277チャットとミャンマー通貨は強まり、両替商は徐々に強めたレートで提供している。
チャットは2015年の初め以来、米ドルに対し約25%弱体化しているが、これはこの傾向を反転させた。
ミャンマーの発展する貿易と財政赤字は、ドルの強化と米国の金利上昇の期待と相まって、チャットが長期的に弱体化し続ける可能性を意味する。
しかし、ここ3週間は1%以下で変動しており、1日の変動が約1%となる動きは数カ月前から現れている。
多くの人々が選挙で国民民主連盟が勝利することで金融政策が変わるだろうと期待しているため、チャットの値が安定していると、銀行員のU Soe Thein氏はいう。
ここ数週間の安定したチャットは、先月の民間セクターの外貨取扱ライセンスを取り消す中央銀行の決定に起因するものではないと彼は分析する。
彼によると、航空会社、ホテル、観光業のような企業により処理された外貨の量は、銀行と他の正規代理店による取引と比較してはるかに少ない。
しかし、レートは、経済安定の市場の見通しや政府の歳出バランスだけでなく、これは新しい政府による決定によるが、更なる政策変更への期待の影響を受ける傾向にある。「為替レートは供給と需要のバランスで決まるものであり、利益を見出せないと気付く投資家を抑止しうる」と彼は述べた。
今年の大半については、チャットの弱体化は確実であるとだれもが考えていた。政府は、中央銀行の脅迫的な法的措置を受け、急速な通貨の脆弱化をもたらしたとして投資家を非難した。
「幸いなことに、これは、中央銀行が参照レートを市場レートに反映し続ける後押しとなった」とU Soe Thein氏は述べた。
2015年夏、中央銀行は人為的に参照レートを低く設定することで市場に介入しようと試みたが、公式レートと非公式レート間の格差を15%になるまで広げる結果となった。
民間事業での米ドルの使用規制をするのであれば、中央銀行はより簡単に両替ができるようすべきであるとU Soe Theinはいう。もしそれがかなわなければ、闇市場のトレーダーは差を埋め始めるだろうと彼は続けた。
中央銀行外貨管理部門代表U Win Thaw氏によると、ミャンマーで外貨取引ができるライセンスを有する企業は銀行と非銀行系の両替商を合わせて約800社に上る。
ホテルもまた、両替ライセンスをもっていないのであれば、その申請を認められていると彼は述べた。
U Win Thaw氏によると、銀行は現地通貨での輸入の支援にも取り組んでいる。「私たちは人々が容易に理解できるような方法で詳しい指示を入れた発表を行う」と彼はいう。
「この移行は支払いに対する障害でもなければ、外国投資や観光に影響を与えるものでもない」。
しかし、米ドルの価格表記に慣れている企業は不利益を被る恐れがある。「米ドル強の恩恵を受けてきた企業はこの習慣を変えたがらない」と彼は述べた。
彼曰く、「今まさにチャットを使い始める時である」、銀行と両替商は、外貨管理部門に対し新たな政策に満足していると語った。
彼によると、約60の外貨受け取り及び保持のライセンス所有者が、支払いや決済について中央銀行に定期的に報告しておらず、同部門はライセンス無しで米ドル取引を行っている多くの企業を確認している。
他の中央銀行職員は、通貨の傾向はこれからの国内外政策により変わりうるものであり、外貨管理部門は11月30日までに更なる指示を発表することを計画していると述べた。
先週発行された法律事務所VDB Loiによる顧客向けのレポートには、企業が外貨を使用すべき時やチャットを使用すべき時に適用される既存の規則には明確性が欠けると強調し、中央銀行はいまだ企業が米ドル送金を受け取ることができるかどうかを明らかにしておらず、契約や給料の支払いに使用すべき通貨も明確でないと、記されている。
同レポートには、「異なる規則と一時しのぎのつなぎ合わせの多くの結果として民間セクターが明確に理解できるような統一的な規定がないという懸念が残る」と記されている。
銀行、ライセンス所持者、移住者、非住居者だけでなく中央銀行職員も支払いや状況に応じた権利と義務を見て簡単に理解できる必要があり、外貨為替においては信頼性の高い情報の不足から誤解を招きうる状況にあると、同レポートは強調している。
(Myanmar Times 2015年 11月2日版 第11面より)