Kerry Logistics社、ミャンマーでドライポートプランを開始する

香港に拠点を置くKerry Logistics社は、国連のイニシアチブの下進められている、全国のドライポートのネットワークを構築する政府の計画の一部である、ミャンマーの2つの内陸港の運営の権利を勝ち取った。
Kerry Logistics社の子会社KLNシンガポールが、ヤンゴンとマンダレーで内陸港の運営を行うことについて、鉄道省と契約を締結したと、Kerry Logistics社は2016年1月11日に発表した。
KLNはResources Group Logistics(RGL)社と共に2つのドライポートの建設を支援する。両社にはドライポートの建設と運営の権利が与えられている。
鉄道省は、過去2014年8月に入札を発表し、中国-ミャンマー、インド-ミャンマー間の合弁企業を含めた11社から申請を受けた。
同省は2017年12月までにこの事業が終了することを見込んでいる。KLN社とRGL社はヤンゴン付近のYwarthargyiの80エーカーのサイトに関し、それぞれ同数の株式を有している。KLN社はマンダレーの80エーカーのサイトに関し、やや多くの株式を有している。
KLN社はドライポートに初め2,000万米ドルを投資し、総額4,200万米ドルを投資する予定である。
Resources Group Logistics社は3,900万米ドルを投資し、顧問としてChina Communications Constructions社を雇う予定であると、RGL社社長Myint Maw氏は述べた。
KLN社は250人のミャンマー国民の雇用が生まれることを見込んでおり、事業が終了した後はミャンマー国民を港に配置する計画であるとKLN社の部長Nyi Htut氏は述べた。
同社は50年の港運営の権利を有することになり、10年間の延長が2回可能であると、Myanma 鉄道の部長で同事業の事務官であるThura U Aung Myo Myint氏は述べた。
彼は、土地の優先的使用権利は1エーカーあたり26,247ドルであると述べ、年間使用料1エーカーあたり5500ドルが、更に請求されると述べた。
ヤンゴン、マンダレー港は全国で8地域のドライポート(ヤンゴン、マンダレー、ムセ、タム、モーラミャイン、モンユワ、バゴー、ピー)の開発計画の一部であるとThura U Aung Myo Myint氏は述べた。
これは国連アジア太平洋国連経済社会(ESCAP)の下でのドライポートに関する広範囲の合意の一部に含まれている。ミャンマーはESCAPの14の加入国の内の1国である。
貨物を国内及び国外に運ぶ際、ドライポートは道路、鉄道、海路、運河の使用を組み合わせることができる。税関確認を含めた多くの管理手続きはヤンゴンとマンダレーのドライポートで事前に完了することができ、海港で確認を行う必要が無くなるとMyanma鉄道の顧問、Saw Valentine氏は述べた。ドライポートはまた、銀行と保険会社も運営する。
政府は2020年までに、他に6つのドライポートの開発を予定している。
ミャンマーの海港は一方で、2017年までに電子データシステムを整備、運営することを望んでいる日本企業の日立の支援を受けて、管理制度を見直している。多くの港は依然として紙の記録に頼っている。
タイと他のアセアン各国との間の長距離トラック運送を提供するKARTで知られている国際道路運搬網に、Kerry Logistics社が新しいミャンマーのルートを開設した数か月後にKLN社が港の権利を獲得した。
Kerry Logistics社はバンコク-ヤンゴン間と上海-昆明-マンダレー-ヤンゴン間のルートを2015年の第4四半期に導入したと、香港に拠点を置くCiti輸送アナリストのMichael Beer氏は最近の調査報告で記した。
同社は、アセアン地域に渡るKARTの道路網を改善しているが、長期的な鉄道戦略も計画しているとBeer氏は述べた。同社がメコン地域で関わっている3つの主要事業のうち1つがマンダレーとヤンゴンでの2つの鉄道駅の建設であると彼は述べた。Kerry Logistics社から昨日コメントを得ることは出来なかった。
他の2つの事業はタイのサイアム海港の拡張と、プノンペンの郊外の自由貿易地域の建設である-これはベトナムとタイでの同社の運営を関連させるものである。
2015年11月のCitiアナリストの推定では、これら3つの事業費は今後18から36カ月間で8億香港ドル(1億300万米ドル)かかるだろうと予想される。
Citiアナリストによると、Kerry Logistics社はまたインドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピンでPan-ASEAN エクスプレスネットワークの一環として投資と買収を行っている。
物流会社の利点は、2007年に開始されたKARTのような既存の運送ネットワークを持っていることであり、それはアセアンで初期ではあるが成長している電子商取引市場を活用するために利用されると、Beer氏は述べた。
Citiによると、都市で増加している6億2,000万人を超える若者の人口により支えられ、アジア太平洋地域での電子商取引の物流市場は2016年までに1750億ドルに届くと予想されている。
インターネットの浸透力はインドネシアやタイ、最近ではミャンマーなどのアセアン各国で急速に上昇しているが、ミャンマーの電子商取引は依然として広がっていない。
(Myanmar Times  2016年1月13日版 第9面より)