CB Bankとして良く知られる地場の協同組合銀行は貿易金融サービスを行う手はずを整え、輸出事業者に直接融資を行う予定である。実現すれば、国内で輸出業者に直接資金を提供する初めての銀行となる。
昨日ヤンゴンで行われた新サービスの開始式で同銀行の副頭取Kyaw Lynn氏は、輸出業者は今に担保として貿易書類を使用することで融資を組むことができるようになると話した。これは更なる柔軟性を可能にするだけでなく、売掛や為替のリスクを減少させ、国内の輸出業者の競争力を高めることになる。
同銀行で新たに設置された貿易金融部門は、4つの新しいサービスに基づき国際金融取引を扱う。一つ目は運営資本金をカバーするため船積み前に融資を行う輸出前金融である。二つ目は、輸出業者が所有する輸出品を担保にお金を借りることが可能になる、船積後金融だ。
三つ目は、手形支払書類渡しによる荷為替手形である。これは、銀行が輸出業者の輸出書類を購入し、売主に代わって買主に対して代金を請求するものである。
四つ目のサービスは、出荷後における信用状決済である。銀行は、売主が買主からタイムリーに支払いを受け取ることができることを保証する。(万一、買主が支払わない場合、銀行が介入する。貿易金融は、ミャンマーではまだ馴染みがない。)ほとんどの輸出入業者は、出荷と同時に支払いを行っている。信用状取引においては、輸出業者は支払いを受け取る前に出荷することができる。
Kyaw Lynn副頭取によると、CB Bankは、輸出業者の書類の確認が済み次第5日以内に融資行うことが出来る。短期融資によって顧客は製造や生産費を調達できると意気込みを見せた。
ミャンマーの銀行は担保融資しか扱えない。代表的なものとして不動産や金があり、銀行はその価値の40%まで融資することができる。CB Bankはまた、同行独自の信用状を引き受けると、Kyaw Lynn副頭取は発表した。
「このタイプの担保は高リスクであるため、良い信用格付けの顧客にのみ融資を行っている。当行内部の信用格付け委員会は、慎重にチェックしている」と彼は述べた。
ミャンマーの多くの銀行は、信用格付けシステムや基本的な顧客情報が不足しており、その理由の1つとして、ミャンマー中央銀行が厳しい貸出規則を課していることが挙げられる。
初めて外国為替の取扱いが認められた2011年に、民間銀行がようやく貿易金融への参入を開始したのに対し、Myanma Foreign Trade Bank(MFTB)とMyanma Investment and Commercial Bank(MICB)は長年、基本的な輸出金融サービスを提供してきた。
しかし現在まで銀行は、信用状の発行に十分な取引代金の100%の価値に値するデポジットを顧客に要求してきた。
CB Bankの財務部門は法人顧客を対象に、口座間の送金において外貨サービスを開始すると、副部長のKyaw Thu Ko氏は発表した。とんどの国内銀行が扱う米ドル、シンガポールドル、ユーロに加え、CB Bankは中国元、日本円、スイスフランも取り扱う。
CB Bankは、貿易金融部門の先駆者である。10月には、アジア開発銀行(ADB)と同行の貿易金融プログラムに基づく契約を結ぶ国内初の金融機関となった。
ADBはCB Bankの貿易金融事業を支援するため、年間1,200万米ドルを上限に融資する。
CB Bankは既に様々な取引ライセンスを取得しているが、信用格付けは類を見ないほど低い(約B)。これにより行うことができる事業が制限されている。
一方ADBは、(最高評価である)「AAA」に格付けられる。CB Bankの貿易金融事業がADBにより保証されるとすれば、より大きな取引への融資が可能になるであろう。
(Myanmar Times 2015年12月4日版 第10面より)