逮捕、制限の中でミャンマーのネットの自由度が引き下げられる

政府が選挙に対する批判を制御するために古い方法に戻り、ミャンマーでのインターネットの自由はここ1年間で低下したと、フリーダムハウスが最新の報告書で発表した。
昨年、米国に拠点を置く独立監視団体は、ミャンマーのインターネットは『部分的に自由』であり、法改正を受け改善していると評価した。今年は、アクセスへの障害、使用者権利の侵害、内容の制限をオブサーバーが指摘し、『自由がない』と評価が引き下げられた。
インターネットの自由に関する年次報告書によると「旧政権の慣行が復活したような状況は、2014年後半から悪化し始めている」。
監視と検閲を認める新しい通信法の条項により、ブロガー、ソーシャルメディアの広告主、インターネットユーザーは攻撃、逮捕され、裁判にかけられている。起訴は厳格な電子通信法に基づいて進められている。この厳しい電子通信法は最近改正されたが、活動家の収監を認める条項は削除されなかった。
フリーダムハウスは、インターネット普及率が人口の約2.5%と極端に低いままであることを警告している。私設の接続は依然として法外に高く、接続状況は使用者の90%以上が急速に拡大した通信ネットワークに接続するという「面倒な」状況である。
付加税を課すとした政府に対して常に繰り広げられたフェイスブックキャンペーンなどのようなソーシャルメディア活動は、接続の拡大とともに急増している。
しかし、法制上の環境は、政府や軍を中傷するジャーナリストや活動家、批評家を取り締まるために再形成さる傾向にある。2014年、ミャンマーはメディア従事者を拘束する国のトップ10にランクインした。
同報告書によると「ミャンマーの失敗は、反対の声を過小評価する慎重な政治政策の背後でオンラインコンテンツを制限する処罰を削除したことである」。
盗聴を含めた監視体制は増加しており、通信法は傍受の合法化をもたらした。
国際NGOや現地NGOの労働者だけでなく外交官でさえもフリーダムハウスに対し次のように話している。政治抗争と社会争議が激化する中、軍はハッキングや盗聴、さらにはヴォイスオブインターネットプロトコル (VoIP)電話の傍聴による監視体制を強化していると。
政府はまた、ジャーナリストの逮捕や編集者の起訴、コーカン族からの声明文に対抗する勅令の発行、コーカン紛争を中国からの国家侵略と構成するソーシャルメディアの促進といった方針を推し進めている。
同報告書によると、「2015年の選挙を前にして拡大した政治分裂」に影響を受けた人々の間で、強固な宗教民族主義や反イスラム主義のヘイトスピーチもインターネット上で激増したと。
しかし、軍中傷者と認められた人が逮捕されたとき、「扇動屋」に対して政府は何ら行動を取らなかった。
昨日、U Ye Htut情報省大臣は、フリーダムハウスの指摘に対してコメントを出さなかった。しかし、「フェイスブックの大臣」は、オンラインとオフラインの抗議者とデモ活動家に向けてどのように表現すべきか、そしていかにミャンマーが変わったかといったコメントをソーシャルメディア上に出した。
フリーダムハウスの報告期間は6月で終了しているが、すぐに選挙活動が始まり、風刺的な投稿を行ったインターネット使用者が電子通信法の名誉棄損条項に基づき刑務所に入れられた。
国民民主連盟のメンバーであるMa Chaw Sandi Tun氏 とPatrick Khum Jaa Lee氏は、軍を侮辱する内容や政治的に取り扱いに慎重を要する話題を投稿したとして、今月上旬、他のフェイスブック使用者と同様に逮捕された。
双方ともに保釈を拒否され、11月6日に裁判が行われる予定である。現地警察官によると、Daw Aung San Suu Kyi氏の改ざんヌード写真を投稿した後に身を隠したパテイン地区の連邦団結発展党職員は10月20日に逮捕され、11月2日に裁判が行われる。
(Myanmar Times 2015年 10月30日版 第5面より)