11月21日(水)
堤雄史弁護士が執筆した【ミャンマー進出関連法】会社法施行規則(1) 第165回がNNAに掲載されました
9月18日の通達で政府がマルチレベルマーケティングを禁止したことに続き、消費者権利保護やその他の分野の専門家はマルチレベルマーケティングの欠点について一般の人々を教育するためにより多くのことを行わなければならないと述べた。
商業省の通達によると、マルチレベルマーケティング型ビジネスを営む企業はEssential Supplies and Services Lawに基づき法的措置をうけることになるという。有罪判決を受けた場合、6ヶ月から3年以下の懲役及び500,000チャット以下の罰金が科される。
通常の事業とは異なり、マルチレベルマーケティング事業は経費を削減するために、参加者による他人への勧誘に依存する傾向がある。これはより早く参加した上位者が最も恩恵を受け、その一方で経済的にも裕福でない下位者のみが参加者の勧誘に大変苦労するというピラミッドスキームと似ている。
アメリカではこの業界内のAmway, Herbalife及びNu Skinのような大企業がいくつか調査を受け、その結果数百万ドルの罰金の支払いで和解がなされた。
ミャンマーには現在マルチレベルマーケティング型事業に対する特別な法律はない。「何らかの措置が取れるよう、我々はEssential Supplies and Services Lawを用いてこの状況に取り組んでいる」と商業省で次官補を務めるU Khin Maung Lwinは述べた。
同事業が政府により9月に禁止される前に、公共におけるマルチレベルマーケティング事業の影響についての報道が広まり、連邦議会議員が2016年末に問題を提起した。
「国内におけるマルチレベルマーケティング事業のほとんどが、彼らの製品は病気を治すことができると主張するなどして問題を起こしている」と国内のマルチレベルマーケティング事業の主要批評家の一人であるU Zin Zay Lwinは述べた。
以前は、マルチレベルマーケティング事業に対して直接的な措置はとられていなかったが、いくつかの企業は様々な規制に違反して処罰されていた。
2018年初頭、口座、銀行取引、輸入申請、食品医薬品管理の承認、納税、財務諸表が審査された41社のマルチレベルマーケティング企業に対して措置が取られた。
9月に同事業が禁止された後、一部のマルチレベルマーケティング企業は事業の終了を正式に発表した。そのような企業の一つであるShwe Pan Taingはメンバーにボーナスを与え、製品代金を払い戻すと発表した。その他の企業がそうしないことが報道された。
「マルチレベルマーケティング事業に従事する人々は自分たちが政府によって苦しめられていると考えている。実際には、彼らは無責任なマルチレベルマーケティング企業による影響に直面しているのだ」とU Zin Zay Lwinは述べた。
マルチレベルマーケティング企業Successmore Companyの取締役であるDaw Nan Kham War Hlaはマルチレベルマーケティング型の製品販売は終了し、現在は通常通り配布し販売していると述べた。
法の下で政府はマルチレベルマーケティング事業を管理し運営できる企業のレベル数に制限を設けることを提案しているとU Khin Maung Lwinは述べた。この業界についての専門家は10以上のレベルのエージェントを設けることが必要であると述べている。
「現在はマルチレベルマーケティングに関する法律や違反に対する処罰がないので、我々は法律を制定する準備をしている。それはどのような製品が販売を許可されるのかについての定義も含む。現在ではピラミッド型商法が売り手の数を急激に増加させているため、その市場を規制し消費者を保護するための取り決めを行っている。これら全ての前段階としてマルチレベルマーケティング事業は禁止される」とU Khin Maung Lwinは述べた。
マルチレベルマーケティング企業もまた政府に対し事業の健全化のための法律と規制を制定するよう要請している。
「ビジネスモデルに対する批判が全て正しいとは限らない。もし法律があれば、人々はその下で合法的に働くだろう。規制に違反した者は正当な企業として登録されるまで営業を停止される」とDaw Nan Khan War Hlaは述べた。
マルチレベルマーケティングの批評家はマルチレベルマーケティング型事業が「直接販売」の偽装をして戻ってくることを心配していると言う。
「我々は直接販売としてピラミッド型事業が現れるのを防ぐ必要がある」と、国会においてマルチレベルマーケティングに関する疑問を提起した国会議員のU Aung Kyaw Kyaw Oo氏は述べた。
「マルチレベルマーケティングは公平に利益を分配するものではない。上層部が利益の大部分を得ており、低所得者が大半を占める下層部の人々は苦しんでいる。熱心に働いて金持ちになる人は賞賛に値するが、富を得るための近道があることを他人に吹聴することは良くない」と、ミャンマー消費者組合のU Maung Maung秘書官は述べている。
(Myanmar Times 2018年10月5日版 第8面より)
11月13日(火)
堤雄史弁護士が執筆した【ミャンマー進出関連法】目論見書に代わる書面に関する通達 第164回がNNAに掲載されました
ネピドーは、権限を与えられた汚職禁止団体とビジネスコミュニティーの協力により、汚職の取り締まりをスピードアップさせている。しかし、政府による最新のアナウンスメントは投資家の中に混乱を生んだ。決定的に賄賂の提供に関する刑事責任がなく、政治献金をどのように規制すべきか明確になっていない。
ミャンマーは現在2013年汚職禁止法の第4改正法を採択している。改正は汚職禁止委員会(ACC)の責務を拡大させ、企業に汚職を防ぐため独自のシステムを確立するよう手引きする通知を発行する新たな権力を含んでいる。
この改正により、委員会は現在苦情にのみ対処するだけでなく自身のイニシアチブに対し調査措置を取ることが出来る。
ミャンマー国連薬物犯罪事務所(UNODC)の所長Troels Vester氏は、改正は「正しい方向へのステップ」とみなしている。賄賂の提供などの「汚職の実施」は、横領のより良い定義を法律に入れ込む試みを含め再定義される。
「UNODCは法律の実施を確実にするためACCと協力しており、優れた発展はあるが未だ汚職事件の調査及び起訴の改善の余地がある。法律には、汚職に対する民事責任の発展を含んでいないが、マネーロンダリングに対する法人の民事責任は既に存在し、法的システムの非常に良い機能となっている」と彼はミャンマータイムズに語った。
贈収賄に関する刑事責任は、未だ無い
汚職に対する国連条約が、2013年1月にミャンマーで発効した。汚職罪に対する会社の刑事責任及び外国賄賂の確立は、UNCACへの訴えを確実にすることが必要である。しかし、これらの規定はミャンマーで不足している。最近の変更にも関わらず、現在会社はマネーロンダリングに対してのみ責任を取り、汚職に対しては取らない。
Vester氏は、刑事責任を確立する法律は同地域では非常に新しいと強調した。
外国贈収賄について、ビジネス上の強みの確保のため他国職員への賄賂に関しては、状況はさらに複雑になる。アセアン諸国での外国贈収賄の起訴が非常に制限されて以来、ミャンマーとの大きなギャップは無く、ミャンマー企業の多くが外国に投資していない。
ヤンゴンに拠点を置くミャンマー責任ある企業センターの所長Vicky Bowman氏は、タイの汚職禁止規則の枠組と実施経験は、ミャンマーより発展していると話す。
故に、それを汲み上げることはミャンマーにとって非常に助けになると述べた。例えば、企業管理に関するいくつかの基本方針を確立するタイ委員会のガイドラインは、現実的で実用的であるとして企業に称賛されている。
DICAのアナウンスメント
汚職に取り組む彼らの最新の活動として、投資企業管理局(DICA)は先月企業に対し、汚職禁止倫理規律のアナウンスメントを発表した。同アナウンスメントは、政治献金、寄付、旅行や病院代などの多くの問題を含んでいる。
「これら全ては汚職撲滅に対処する重要な問題である」とBowman氏はコメントした。しかしDICAのアナウンスメントを読んだ企業と法律専門家は、「それは答えより多くの疑問を提起している」と述べた。
問題の1つとして、一部の政府官僚が、それが何を言っているのか認識していないように思う。省庁は未だ無料で部屋を政府職員に提供するようホテルに要求する文書を送っており、これはDICAのアナウンスメントで容認できないこととして分類されている。
「この混乱は企業を難しい立場に置き、DICAとACC及び他機関との協力を通して明確にする必要がある」。
「これら問題は非常に複雑である。この全てを解決するには時間がかかるため、広い民主的議論の一部となることが必要である」とBowman氏は続けた。
政治献金
多くが変更になったにも関わらず、政治献金と寄付はまだグレーエリアに残っている。現在のガイドラインでは、会社や企業投資家、所有者の慈善団体が実施する寄付や政治献金活動の規制はない。ミャンマーでは、多くの企業オーナーが会社の代わりに政治献金を行っている。
絶好の機会は、来たる細則に沿ってこのギャップを埋める。「汚職禁止法が改正されるにつれて、新たな法律に従い細則を制定する準備が整っている」と、ACCオフィスのダイレクターTun Tun Win氏は先週ミャンマータイムズに語った。Bowman氏は、企業による政治献金の規制は選挙委員会の問題でなければならないという。現在の法的枠組での規制は何も無いが、立法府による立法議論の優先対象とするべきである。
「会社による『寄付』の問題は、慈善寄付金が税額控除可能であるかどうかについての明確さの欠如と密接に結びついており、慈善団体登録簿の欠如とも結びつく」とMCRBの所長は観察する。多くの疑問に回答していないDICAのアナウンスメントは、汚職禁止実施規律確立を必要とする企業の話題を呼ぶ。
UNODCによると、汚職禁止機関は民間企業に、第4改正法に基づき汚職を防ぐため実施規律の採択及び順守の命令を発行することが出来る。「ACC、UNODCから要請があれば、政治献金と慈善寄付も含む、民間企業の発展と実施を手引きする独自の実施規律モデルの起草を支援することができる」とTroels氏は述べた。
良い事、悪い事
特に、汚職を抑制しグレーエリアに対処するための努力は責任ある企業に関する広範な議論の一部である。ミャンマーは、香港に拠点を置くCentre for Asian Philanthropy and Society(CAPS)により実施された2018年Doing Good Index for Asiaで最下位であった。
「この指数は寛大な尺度ではなく、その上私たちはミャンマーがいつも高いスコアであることを知っている。これが慈善を与える環境についてでもある。Doing Good Indexは規制、税金、金融政策、エコシステム、手続きなどの要素を考慮している」とBowman氏はコメントした。
「この権利を得ることは、MCRBが政府、企業、他機関との協力を希望することである。私たちは、いい事と悪い事の境目を明確にすることで新しいACCに良い機会があると信じており、『寄付』は最早賄賂の婉曲表現ではない」と彼女は述べた。
(Myanmar Times 2018年9月26日版 第4面より)
元ヤンゴン管区法務官と5人の法務職員は火曜日に、フェイスブック有名人殺人事件裁判を撤回したとして起訴され、国の賄賂禁止法に基づき最長15年の実刑に直面する。
被告には、元ヤンゴン管区法務官Han Hoo氏、ヤンゴン東方地区法務職員Thit Thit Khin氏、Ko Ko Lay氏、ヤンゴン管区法務職員Thein Zaw氏、ヤンゴン東方地区裁判官Aung Kyi氏、ツゥワナ地区警察長官Chit Ko Ko氏が含まれる。
Han Htoo氏は汚職禁止法第55条に基づき起訴され、残りは同法第56条に基づき起訴された。
被告は12月31日にAung Ye Htwe氏を殺害した容疑で起訴されている3人の両親から、賄賂を受け取った疑いがある。
「私たちは東方地区裁判所に事件を移送し、その後同殺人の主要人物であるThan Htut Aung氏及び2人の容疑者を再逮捕する予定である」とヤンゴン管区高等裁判所情報職員New New Oo氏は述べた。
月曜日にヤンゴン管区高等裁判所は殺人事件裁判の再開を決め、事件を撤回するという地区裁判所の命令を取り消した。
高等裁判所は、検察側の証人は被告の罪の意識に疑念を投げかけ、疑問を呈したことを確認した。被告が両親から受け取った賄賂の証拠も確認できた。
8月29日に双方の弁護士が管区高等裁判所で面会し、検察官は、事件が受理されてから多くの国民が注目しているため政府の評判に傷が付く可能性を示唆した。彼はまた、外国人医師を含む検察側の証人8人を再び審問することを示唆した。
(Myanmar Times 2018年9月26日版 第3面より)
ミャンマー議会は国から急速に減少する森林を保護するため、違反者に最長15年の懲役刑を科すことができるよう森林法を厳しく制定する。
9月20日に制定された新たな森林法に基づき、森林局員は賄賂を受領したり違法に伐採された木材や林産物の採取、輸送、保持に関わった場合罰せられる可能性がある。
「9月20日以降、新たな法律の下違反者に対して措置が講じられる」と天然資源及び環境保全省管轄下の森林局局長Nyi Nyi Kyaw氏は話す。
同局の副局長Zaw Min氏によると、軽犯罪に対する罰金は最大3,000万チャット(1,869米ドル)に引き上げられ、森林侵入者は警告を受けてから1か月以内に敷地内から退去する。
「主要な罰則が提起され、最新のものになっている。違法伐採に対する措置は現在、この新たな法律のため効果的に実施できるようになった」とZaw Min氏は述べた。
新たな法律について国民に周知させるため教育キャンペーンを実施すると彼は述べた。
法律には、長期的な森林管理及び持続可能な開発を確実にするための9つの目標が含まれている。
それには、省はネピドー評議会及び管区、州またはミャンマー政府の承認を得て、住民が独自の伝統的方法で保全している自然林及びマングローブを認定することが規定されている。
新たな法律は、違法伐採された木材や林産物を保持または輸送した森林局員に対し最長7年の懲役を科す1992年森林法を置き換えたものである。
ヤンゴン管区森林部署局長Thein Toe氏は、新たな法律により、林業従事者が違反者を裁判に送ることが容易になると述べた。
「以前は、裁判所が休みの際、容疑者を拘束することが困難であったが、現在は警察署に訴えを持って行くことが出来る。最早遅れはなくなる」と彼は述べた。
現地保全団体Promotion of Indigenous &Nature Togetherの代表Myo Ko Ko氏は、森林保護のために国の森林法を強化することは依然として必要であると述べた。
「森林保全は未だ中心地だけで、誤った森林局員への罰則は依然として軽い」と彼はいう。「私たちは、新たな法律により物事が改善するかどうかを見極めるため待つ。また細則の制定を待つ必要がある」。
(Myanmar Times 2018年9月26日版 第2面より)
11月6日(火)
堤雄史弁護士が執筆した【ミャンマー進出関連法】源泉徴収税に関する通達 第163回がNNAに掲載されました
2018年10月30日(火)
堤雄史弁護士が執筆した【ミャンマー進出関連法】教育事業における投資(3) 第162回がNNAに掲載されました
10月30日(火)
堤雄史弁護士が執筆した【ミャンマー進出関連法】教育事業における投資(3) 第162回がNNAに掲載されました
2018年10月22日(水)
堤雄史弁護士が執筆した【ミャンマー進出関連法】教育事業における投資(2) 第161回がNNAに掲載されました。