米国、正式にミャンマーに対する制裁命令を終了

約20年間にわたりミャンマーへ経済制裁を課した後、米国は2016年10月7日に、正式にブラックリストを廃止した。
米国大統領バラク・オバマ氏はアウンサンスーチー国家顧問が9月14日にホワイトハウスを訪問した際の誓約に従い、制裁を終了する執行命令に署名した。
残りの制裁を解除することは、「ビルマが過去数年にわたり経験してきた大きな変化の証明であり、広い経済成長と繁栄のため政治的改革の手続きを継続し、ビルマの人々と民間政府による支援が意図されている」と米国財務局は声明で述べた。
命令はまた、人権侵害を理由に20年以上前から中止されているミャンマーへの特恵関税を復活させる。
オバマ氏はアウンサンスーチー氏が訪れた際、制裁の廃止は「新しい事業方法についてビルマの人々が褒賞を受け取ることを確実にするために行う正しい方法である」と語った。
オバマ氏は、ミャンマーは「米国の外交政策と国家安全保障に特別な脅威を与えている」と規定している、制裁の根拠となる国家緊急宣言を5月に更新した。
オバマ政権時代、5月に追加措置で採択されたAsia World, Steven Law氏を含む100以上の個人と団体がブラックリストから削除された。Tay Za氏、Zaw Zaw氏、副大統領Myint Swe氏は、現在存在しない特定国民指定リストに載っていた。
北朝鮮との取引に関連する2個人と、麻薬中心人物と関わりのある10企業21人の個人に対して、制裁と武器販売目的の出入港の禁止を含めいくつかの制裁が残されている。
米国事業家は、対象企業や個人を超えて米国貿易と投資を損なうと主張し、制裁の終わりに向けてロビー活動を行った。人権団体は、国軍の決定的な影響力を取り除き改革努力を傷つけると主張し、ブラックリストを完全に抹消する決断を下した。米国のルビーと翡翠の輸入禁止措置命令が現在終了となり、透明性監視団体Global Witnessは、制裁解除はミャンマーの軍政エリートの財布を更に膨らませないよう、宝石産業や悪名高く虐待的な翡翠に新たな安全基準を導入するよう呼びかけている。
(Myanmar Times 2016年 10月10日版 第2面より)