ネピドーは、権限を与えられた汚職禁止団体とビジネスコミュニティーの協力により、汚職の取り締まりをスピードアップさせている。しかし、政府による最新のアナウンスメントは投資家の中に混乱を生んだ。決定的に賄賂の提供に関する刑事責任がなく、政治献金をどのように規制すべきか明確になっていない。
ミャンマーは現在2013年汚職禁止法の第4改正法を採択している。改正は汚職禁止委員会(ACC)の責務を拡大させ、企業に汚職を防ぐため独自のシステムを確立するよう手引きする通知を発行する新たな権力を含んでいる。
この改正により、委員会は現在苦情にのみ対処するだけでなく自身のイニシアチブに対し調査措置を取ることが出来る。
ミャンマー国連薬物犯罪事務所(UNODC)の所長Troels Vester氏は、改正は「正しい方向へのステップ」とみなしている。賄賂の提供などの「汚職の実施」は、横領のより良い定義を法律に入れ込む試みを含め再定義される。
「UNODCは法律の実施を確実にするためACCと協力しており、優れた発展はあるが未だ汚職事件の調査及び起訴の改善の余地がある。法律には、汚職に対する民事責任の発展を含んでいないが、マネーロンダリングに対する法人の民事責任は既に存在し、法的システムの非常に良い機能となっている」と彼はミャンマータイムズに語った。
贈収賄に関する刑事責任は、未だ無い
汚職に対する国連条約が、2013年1月にミャンマーで発効した。汚職罪に対する会社の刑事責任及び外国賄賂の確立は、UNCACへの訴えを確実にすることが必要である。しかし、これらの規定はミャンマーで不足している。最近の変更にも関わらず、現在会社はマネーロンダリングに対してのみ責任を取り、汚職に対しては取らない。
Vester氏は、刑事責任を確立する法律は同地域では非常に新しいと強調した。
外国贈収賄について、ビジネス上の強みの確保のため他国職員への賄賂に関しては、状況はさらに複雑になる。アセアン諸国での外国贈収賄の起訴が非常に制限されて以来、ミャンマーとの大きなギャップは無く、ミャンマー企業の多くが外国に投資していない。
ヤンゴンに拠点を置くミャンマー責任ある企業センターの所長Vicky Bowman氏は、タイの汚職禁止規則の枠組と実施経験は、ミャンマーより発展していると話す。
故に、それを汲み上げることはミャンマーにとって非常に助けになると述べた。例えば、企業管理に関するいくつかの基本方針を確立するタイ委員会のガイドラインは、現実的で実用的であるとして企業に称賛されている。
DICAのアナウンスメント
汚職に取り組む彼らの最新の活動として、投資企業管理局(DICA)は先月企業に対し、汚職禁止倫理規律のアナウンスメントを発表した。同アナウンスメントは、政治献金、寄付、旅行や病院代などの多くの問題を含んでいる。
「これら全ては汚職撲滅に対処する重要な問題である」とBowman氏はコメントした。しかしDICAのアナウンスメントを読んだ企業と法律専門家は、「それは答えより多くの疑問を提起している」と述べた。
問題の1つとして、一部の政府官僚が、それが何を言っているのか認識していないように思う。省庁は未だ無料で部屋を政府職員に提供するようホテルに要求する文書を送っており、これはDICAのアナウンスメントで容認できないこととして分類されている。
「この混乱は企業を難しい立場に置き、DICAとACC及び他機関との協力を通して明確にする必要がある」。
「これら問題は非常に複雑である。この全てを解決するには時間がかかるため、広い民主的議論の一部となることが必要である」とBowman氏は続けた。
政治献金
多くが変更になったにも関わらず、政治献金と寄付はまだグレーエリアに残っている。現在のガイドラインでは、会社や企業投資家、所有者の慈善団体が実施する寄付や政治献金活動の規制はない。ミャンマーでは、多くの企業オーナーが会社の代わりに政治献金を行っている。
絶好の機会は、来たる細則に沿ってこのギャップを埋める。「汚職禁止法が改正されるにつれて、新たな法律に従い細則を制定する準備が整っている」と、ACCオフィスのダイレクターTun Tun Win氏は先週ミャンマータイムズに語った。Bowman氏は、企業による政治献金の規制は選挙委員会の問題でなければならないという。現在の法的枠組での規制は何も無いが、立法府による立法議論の優先対象とするべきである。
「会社による『寄付』の問題は、慈善寄付金が税額控除可能であるかどうかについての明確さの欠如と密接に結びついており、慈善団体登録簿の欠如とも結びつく」とMCRBの所長は観察する。多くの疑問に回答していないDICAのアナウンスメントは、汚職禁止実施規律確立を必要とする企業の話題を呼ぶ。
UNODCによると、汚職禁止機関は民間企業に、第4改正法に基づき汚職を防ぐため実施規律の採択及び順守の命令を発行することが出来る。「ACC、UNODCから要請があれば、政治献金と慈善寄付も含む、民間企業の発展と実施を手引きする独自の実施規律モデルの起草を支援することができる」とTroels氏は述べた。
良い事、悪い事
特に、汚職を抑制しグレーエリアに対処するための努力は責任ある企業に関する広範な議論の一部である。ミャンマーは、香港に拠点を置くCentre for Asian Philanthropy and Society(CAPS)により実施された2018年Doing Good Index for Asiaで最下位であった。
「この指数は寛大な尺度ではなく、その上私たちはミャンマーがいつも高いスコアであることを知っている。これが慈善を与える環境についてでもある。Doing Good Indexは規制、税金、金融政策、エコシステム、手続きなどの要素を考慮している」とBowman氏はコメントした。
「この権利を得ることは、MCRBが政府、企業、他機関との協力を希望することである。私たちは、いい事と悪い事の境目を明確にすることで新しいACCに良い機会があると信じており、『寄付』は最早賄賂の婉曲表現ではない」と彼女は述べた。
(Myanmar Times 2018年9月26日版 第4面より)